2015年1月23日金曜日

慰安婦と教科書

最近慰安婦を巡る高校の教科書の記述日米で対照的な話がありましたので、ご紹介します。日本では削除、アメリカでは嘘を載せ続けるという話です。

まず、朝日新聞が社説で批判した数研出版教科書が「従軍慰安婦」の記述を削除についてご紹介します。産経新聞からです。

http://www.sankei.com/life/news/150109/lif1501090022-n1.html

教科書から「従軍慰安婦」「強制連行」の記述削除 高校公民で 数研出版、文科省に訂正申請

(略)

 政治・経済では「戦時中の日本への強制連行や『従軍慰安婦』などに対するつぐないなど、個人に対するさまざまな戦後補償問題も議論されている」との記述を、「韓国については、戦時中に日本から被害を受けた個人が、謝罪を要求したり補償を求める裁判を起こしたりしている(戦後補償問題)」と訂正した。

(略)

再度書きますが、これは自社の商品=教科書に客観的事実を掲載する必要性、さらには顧客は教育現場というより一層高いモラルや正確性が求められる商品です。その教科書に正確な事実とは言えないものや誤解を招くものを掲載し続けるのではなく、より適切なものにしていく、至極当たり前の事です。朝日新聞は自身が特定のイデオロギーに拘り過ぎて時として事実を伝えるという報道の使命を忘れ、事実では無い事を世の中に流し続けた事を教科書会社にもやれと言っているのでしょうか?

一方、アメリカの教科書会社大手、マグローヒル社の嘘の内容の高校教科書が事実とかなり異なるため外務省が修正を申し入れましたが、間違っていないと主張しているとの事。読売新聞からです。

http://www.yomiuri.co.jp/world/20150117-OYT1T50070.html

米出版社、従軍慰安婦記述巡る教科書訂正を拒否
 【ニューヨーク=広瀬英治】米国の公立高校向けの世界史教科書にいわゆる従軍慰安婦問題をめぐる誤った記述があるとして、外務省が米大手教育出版社「マグロウヒル」(本社・ニューヨーク)に訂正を申し入れていた問題で、同社は訂正を拒否することがわかった。
 同社は16日、読売新聞の取材に対し、「(執筆した)学者は『慰安婦』の歴史的事実に基づいており、我々は疑う余地なく著者の記述、研究と説明を支持する」と答えた。
 問題の教科書はカリフォルニア州などで使われており~(略)

まあ、これは酷い内容です。(藤岡先生の訳をお借りします)

「日本軍は14歳から20歳までの20万人もの女性を、強制的に連行し」
「日本軍は慰安婦たちを天皇の贈り物と言いながら兵士に提供」
「女性たちは、朝鮮、台湾、満州などの日本の植民地や、フィリピンの日本軍占領地など東南アジアの地域から連れて来られた女性の多数は朝鮮と中国の出身者だった。」
「逃げようとしたり性病にかかったりした者は、日本兵に殺された。
「戦争が終わるころには、慰安所でやっていたことを隠すために、多数の慰安婦を虐殺した。

という感じです。もちろん慰安婦が給料をもらっていた事も一切触れられていません。日本人慰安婦についても一切触れられていません。悪質な嘘教育はすぐに止め、かつ、誤りを認めて欲しいですね。

こんな嘘を過去・現在・未来のアメリカの高校生(これにて学んでいる人数は不明)に刷り込んで、日本が極悪非道の国と認識されています。今「それは違う」と我々が説明しても「自分の都合の悪い過去を隠す卑怯者」扱いです。誤解が再生産されています。どうしてくれるのでしょうか?これは日本国家や日本人に対する大変な冤罪・名誉棄損であり、私は大きな精神的苦痛を感じます。祖先が事実に基づかずに犯罪者扱いされています。それが「歴史的事実に基づいており」ですと?笑わせてはいけません。こんな嘘がずっと罷り通るはずはありませんし、いずれ謝罪・修正という事になると思います。こんな嘘にこだわり続けても著者の学者としての名声や業績、教科書会社としての信用に傷が付くだけだと思います。

なお、この著者はハワイ大学歴史学科の2人組だと思われますが、その内のシニア格(この部分はこの人が担当したのかも知れません)の方が2012年に他界しているようなので、それもあってマグローヒル社としても即座に適切な判断が下せないのかも知れません。だからと言って嘘が許される訳ではありません。嘘はいけません。

3 件のコメント:

  1. 和美です。今やっているプロジェクトが一段落したら、ハワイ大の(若い方、健在)教授に事実を知らせる抗議メールを送るつもりです。ハワイ大には、George Akita先生もおられますし。
    <www.uhpress.hawaii.edu/p-9274-the-japanese-colonial-legacy-in-korea-19101945-a-new-perspective.aspx>

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    1. 和美さん、こちらのブログでも記念すべき初のコメントいただき、どうもありがとうございます。内容については追ってお返事したいと思いますが、まずはお礼まで。

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    2. George Akita先生、読んだ事はありませんが、日本の朝鮮統治について別の見方を示したという事で聞きますよね。

      ご存知かと思いますが、若い方、この辺にいますね。

      http://manoa.hawaii.edu/history/people/faculty-by-name

      私も近々メールなどしようかと検討中です。

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