2015年1月10日土曜日

朝日の反撃シリーズ「慰安婦問題を考える」を考える1

昨日から植村氏の訴訟のニュースで騒がしかったですが、今回より先日の記事「朝日の反撃開始?」の内容に入っていきたいと思います。

まず12月28日の大沼保昭さんです。

http://www.asahi.com/articles/ASGDW5H8MGDWUTIL00Y.html

この方は学者さんで例の「アジア女性基金」の中心人物の一人(理事)ですね。大学在学中に国家Ⅰ種さらに司法試験に合格しつつも、そのまま学問の道に進まれているので凄いですよね。この方は1993年の河野談話を受けて「では実際に日本が(韓国人を中心とする)元慰安婦にどのように謝罪と賠償をしていくのか」という中で村山政権下の1995年に設立されたアジア女性基金の仕事もするぐらいリベラル派と見られている方であり、アジア女性基金に中心人物の一人として関わった方ですが、その後の韓国のヒステリックな対応に「(元慰安婦のおばあさん達のためではなく)極度に政治化している」「失望し、ひいては絶望している」という感想も述べておられます。

色文字部分が私のコメントです。

(慰安婦問題を考える)「アジア女性基金の検証を」大沼保昭さん

 慰安婦問題を多角的に考えていくため、国内外の識者に様々な視点で語っていただく企画を始めます。

大沼保昭さん(明治大特任教授)

 朝日新聞の「慰安婦」報道について第三者委員会の報告が出され、社長が記者会見を行い、再生を誓った。朝日新聞のあり方は日本のメディアのあるべき姿として重要な問題だが、ここではこの間「朝日問題」との絡みもあってしばしば誤解・曲解されてきた「慰安婦」問題に絞って、その原点を確認しておきたい。
 「慰安婦」とは、第2次大戦中、日本軍将兵に継続的に性的な奉仕を強いられた女性たちのことだった。こうした慰安婦制度の犠牲者は、日本、中国、韓国、フィリピン、オランダなど広範に存在する。このうち、フィリピンやオランダでは被害者への日本の償いはそれなりの評価を受けたが、韓国は日本の取り組みを厳しく批判し、日本ではそうした韓国への反発が強まったため、日韓の深刻な政治問題と化してしまった。「慰安婦問題=日韓問題」と捉えられがちなのはそうした事情による。

「慰安婦とは継続的に性的な奉仕を強いられた女性たち、制度の犠牲者」という事ですが、本当に「強いられた」のでしょうか?何をもって「強いる」のでしょうか?いわゆるレイプ・強姦的な行為という意味でしょうか?いわゆる売春婦が商売としてサービスを提供するのとどう違うのでしょうか?日本軍の慰安婦には接客を断る権利もありましたが?また、職場に着いてすぐにという訳には行かなかったでしょうが、商売をやめて帰国する例も多数あったようですよ?確かに必ずしも皆が良い境遇にあったわけでもなく、つらい人達もいたでしょう。ただそういう人達が実際にどれぐらいいたのか?「慰安婦全てが悲惨であった且つ強いられた」などと一部と全体を混同していませんか?

次に「フィリピンやオランダでは被害者への日本の償いはそれなりの評価を受けたが、韓国は日本の取り組みを厳しく批判し」と書いておられるように、韓国が騒いだのは韓国の特殊性、もちろん日韓併合の歴史や特殊な感情・民族性など別の背景もあるでしょうが、主に韓国のみが政治利用しようとして挺対協や韓国国民などが大騒ぎをしたという事でしょう。アジア女性基金は他の国では一定の成果があったのに、韓国のみが騒いでいると大沼氏も認めています。


それと「『慰安婦問題=日韓問題』と捉えられがちなのはそうした事情による」という視点は良いですが、それをそのまま受け取って、また放置して良いのでしょうか?修正されるべき認識かも知れませんよ?「慰安婦問題=日韓問題」というのは騒いでいる人が韓国人という意味ではその通りですが、女性の人権問題云々を言い出すと正しい捉え方では無いと思います。


もう一つ、「慰安婦制度の犠牲者は、日本、中国、韓国」とご自身で書いておられますが、なぜ最も多かったと言われる日本人慰安婦について皆沈黙するのでしょうか?アジア女性基金自体が制度として日本人慰安婦を救済対象から外していたのですが、ものすごい差別ではないでしょうか?この点一つを取っても、論理破綻と言えるのではないでしょうか?


 日本は朝鮮を1910年に併合し、45年に植民地支配から離れた韓国と65年に国交正常化した。その際、日韓両国は植民地時代の請求権を相互に放棄し、これにより植民地支配に伴う問題は解決されたと考えられてきた。
 しかし、90年代のフェミニズムの高揚のなかで慰安婦問題がクローズアップされ、日本は法的には解決されたはずの問題にどう対処するかという困難な課題を突きつけられた。

直接の関係はあまり明らかになっていないようですが、「フェミニズム」と慰安婦問題の相関関係については聞くことがありますね。過去から現在に至るまでに陰に日向に過激なフェミニズム団体(「ジェンダーフリー」なども含むでしょう)が運動テーマの一環として慰安婦問題で連携して騒いできた可能性もあります。有名なフェミニズム団体は調べれば大抵(韓国人)慰安婦問題もやっているのかも知れません。

 95年、慰安婦問題に関する国内の議論が対立して具体的施策が困難をきわめる中、村山内閣と各界のオピニオンリーダーが協力して「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)を設立した。日本政府と基金はその後、歴代政権の下で、総理のおわびの手紙、国民の拠金からの償い金200万円、国費から医療福祉支援金120万~300万円を364人の元慰安婦の方々に手渡し、さらに現代の女性の人権問題にも取り組んできた。国際社会でも評価されている村山談話の精神に基づいて日本政府と国民の心からのおわびと償いの気持ちを表したもので、自民、社会、さきがけの連立政権だからこそ実現できた、日本の政府と国民が責任を果たすぎりぎりの施策だった。
 しかし、韓国の支援団体とメディアは、罪を認めない日本から「慰労金」を受け取れば被害者は公娼(こうしょう)になるとまで主張してこの償いを一顧だにせず、逆に日本批判を強めた。これは日本国民の深い失望を招き、日本の「嫌韓」「右傾化」を招く大きな要因となった。

韓国はあくまで日本の国家予算による国家賠償を求めた、それは既に日韓基本条約で解決済みの事であり、賠償金の二重払いになるので無理、また慰安婦以外に男性一般徴用者への賠償狙いもあってか韓国側は国家賠償に拘った、そして慰労金を受け取ろうとする元慰安婦おばあさん達に受け取りを拒否するよう圧力をかけて、受け取った者は韓国政府からもらえる年金?慰労金?が受け取れなくなる仕組みすらあったようですね。これを見ても分かるように韓国のやっている事は慰安婦のおばあさん達のためではないんです。はっきり言います。彼女達の人権や尊厳の問題としてやっているのではなく、政治的意図を持って自分たちの利益や満足、日本を叩きたい、利用したい、そういう低レベルの話でしょう。

 また日韓のメディアは償い金を「見舞金」、「慰労金」と報じ、欧米のメディアは「慰安婦」を「性奴隷」と表記するなど、不正確で偏った報道をくりかえした。日本政府はこうした報道に十分に反論せず、基金による償い活動の広報を怠った。これに加えて第1次安倍政権下での政治家の不適切な発言、日本の一部の排外主義的な反発や口汚い嫌韓言説が諸国で報じられたため、「性奴隷制度を反省しない日本」というイメージが国際社会に広がってしまった。

何か急に時間の流れが早くなっていませんか?「口汚い嫌韓言説」ってここ2~3年の話の事でしょうか?紙幅の関係もあるでしょうがここ20年の事をこの段落でいきなり総括ですか?

 この問題をめぐるこれまでの議論で最も欠けているのは、アジア女性基金による償いを具体的に検証する作業である。メディアに登場するのは学者、評論家、支援団体関係者、ジャーナリストばかりで、被害者の方々に総理のおわびの手紙を手渡し、今日まで被害者のケアに努めてきた基金関係者・事務局員の活動はほとんど報じられていない。100人の学者・評論家のもっともらしいコメントより、一人の現場に関わった者の述懐が本質をつくこともある。メディアはそれを忘れていないか。

ちょっと笑いましたが、「メディアに登場するのは学者~」のところはこの記事自体がまさにそうですね。ここで述べている意図は頑張った自分達のアジア女性基金の事をもっと別の観点で評価して欲しいのか?政府としてはアジア女性基金事業は必ずしも大成功とは言い難く、良い材料として宣伝しようにもあまり積極的に宣伝したくなかったという事情もあったのではなかったかとも考えました。

 ここまでこじれてしまった問題を一朝一夕に解決することはできない。
 メディアは過去の一面的で扇動的な報道を深く反省し、基金と政府が行った償いの活動を詳細に紹介してほしい。日本政府は国際広報に力を注ぐと共に、とくに慰安婦問題への姿勢に疑いの目を向けられている安倍晋三首相は、そうした疑念を払拭(ふっしょく)させる思い切った行動をとってほしい。
 一般市民の方々は、「強制連行された被害者か公娼か」といった空しい対立の図式に陥ることなく、何よりも大切なのは、慰安婦制度の犠牲者の尊厳を回復し、苛酷(かこく)な人生を生きてきた彼女らの残された人生の苦しみを少しでも和らげ、人間らしい生活を送るのを助けることなのだ、という原点をもう一度確認していただきたい。

「慰安婦制度の犠牲者の尊厳を回復し、苛酷(かこく)な人生を生きてきた彼女ら」というところについて、再度の疑問です。そもそも元慰安婦=ほぼ韓国人且つ「犠牲者」なのでしょうか?「過酷」という部分は否定しません。売春業に従事する女性が一般的価値観から言って当時も今も世間一般で「過酷」という側面はあるでしょう。しかし、なぜそれが「犠牲者」になるのか?では現代社会でセックス産業に従事する女性は「犠牲者」として現存する社会福祉制度の枠外の特別の保護が必要なのか?昔軍の慰安所ではなく一般の(民間の?)売春婦として生計を立てていた女性が高齢化して困窮している場合、それとどう違うのか?軍の慰安所で働いていた人だけを特別扱いせよ、というのか?それと、「過酷な人生を生きた元慰安婦」というのならば、当時朝鮮人より多いとされた日本人元慰安婦のおばあさん達はどうなるのか?アジア女性基金では無視しましたね?制度の対象内であったが、一人も名乗り出ずに仕方なく救済しようがなかったわけはありませんでしたね?売春の過去がある女性は全員他の生活困窮者とは別の特別の救済をしろと言っているのか?さらにこういう話がありました。当時の村山首相が誇らしげにアジア女性基金の立ち上げについてメディアに語った際に「日本人元慰安婦についてはどう思うか?」と聞かれて、回答に窮してか?絶句してしまったんですよ・・・

 日韓両政府は、本問題について交渉を重ねながら具体的解決策に踏み込めないでいる。その一因は、両国にあまりに一面的で強硬な世論が蔓延(まんえん)していることにある。日韓が勇気をもって問題の解決に踏み出すには、両国民による右の原点の理解が不可欠なのである。(寄稿)

「両国に一面的で強硬な世論が蔓延(まんえん)している」というところについては確かにそういうところはあるでしょう。だって向こうの大統領以下そうではないですか。口を開けば「慰安婦慰安婦」、関係の無い第三国の首脳相手にも「日本による慰安婦被害者が~」さらには2年も日韓の直接の首脳会談が一度もできない異常事態が続く中でも「日本が慰安婦問題で誠意を示さない限り会わない」なんて言っていますから。そういう「前提条件無しでとりあえず話し合おう」というならまだ分かりますが、対話を拒否しているのはどちらでしょうか?さらにはソウル日本大使館前米国の慰安婦像です。一応設置主体は民間になっていますが、韓国政府がこういうものを放置・追認しているわけです。日本人への事実に基づかない名誉棄損であるのみならず、特にソウルのものは明らかなウイーン条約違反ですよ?さらに条約抜きにして相手国の在外公館に対してあんな事をするのは、友好関係を築きたい相手にする行為ではありません。喧嘩を売っているとしか取れません。一部の人間の行為という言い訳もあるかも知れませんが、それを許している時点で実質的に韓国政府が共犯という事ではないですか。日本では国民世論がどうあれあんな蛮行はさせませんよ?これで冷静に建設的に話し合おうと言ったって難しいと思います。

     ◇
 おおぬま・やすあき 明治大特任教授、東京大名誉教授。専門は国際法。アジア女性基金の呼びかけ人・理事を務めた。著書に「『慰安婦』問題とは何だったのか」「東京裁判・戦争責任・戦後責任」、共著に「慰安婦問題という問い」「戦後責任」など。
     ◇
 〈アジア女性基金〉 正式には「女性のためのアジア平和国民基金」。元慰安婦に対する「おわびと反省」を表明した河野洋平官房長官の談話を受け、自社さ政権下の1995年7月に発足した。首相によるおわびの手紙と国民の寄付から償い金200万円、国費から医療福祉支援事業として120万~300万円を元慰安婦に支給。一定の役割を果たしたとして、07年3月に解散した。
 韓国では韓国政府認定の元慰安婦207人中(02年時点)、61人を対象に実施。台湾では13人、フィリピンは211人が対象。オランダでは医療福祉事業として79人が受け取った。インドネシアは元慰安婦の認定が困難だとして、高齢者施設を整備した。

0 件のコメント:

コメントを投稿