2019年6月30日日曜日

植村隆氏が西岡力氏にも敗訴、捏造は事実、「植村隆=捏造記者」は妥当と裁判所が判断

植村隆氏がジャーナリスト櫻井よし子や学者/救う会会長の西岡力氏を相手取って始めた名誉棄損裁判ですが、櫻井氏(札幌地裁)に続き、西岡氏相手にも敗訴しました。はっきり言えばやけになって始めたような濫訴、スラップ(恫喝)訴訟のような裁判でしたが、170名以上の左翼弁護士がバックに付いても東京地裁で請求棄却となりました。

弁護士ドットコム「慰安婦訴訟「捏造」と書かれた元朝日記者が敗訴 賠償認めず」
https://www.bengo4.com/c_18/n_9811/
朝日新聞:「文春などへの賠償請求棄却 元朝日記者の慰安婦報道訴訟」
https://www.asahi.com/articles/ASM6V447QM6VUTIL00Z.html

まず、留意すべき点は、植村氏陣営や左翼メディアは「名誉棄損は認められた」(=だから一部勝訴だ)と強調していますが、これに騙されてはいけません。
 名誉棄損というのは、別に虚偽の誹謗中傷で他人を貶めた場合にのみ認められるわけではありません。例えば、逮捕歴のある人がいて、公衆の面前で「この人は逮捕歴がある」と指摘した場合、それが事実であったとしても、その人の名誉や社会的評価が傷付く事は事実ですので、名誉棄損が成立します。逆に言えば、名誉棄損が成立しているからと言って、その人が逮捕されていなかったことにはなりません。
 植村氏やその仲間は、司法により名誉棄損が認められた=「植村は捏造」は事実ではない、西岡氏の虚偽である、と司法に認められ証明されたとアピールしたいのですが、そんな事はありません。事実として逮捕歴のある人についてその事実を公衆の面前で指摘するのと同様、事実として捏造を行った記者(植村氏)の捏造行為を櫻井氏や西岡氏が指摘した事で世間の人々は植村氏の捏造を知り、結果同人の社会的評価が(より一層)低下しましたので、名誉棄損が成立します。往生際の悪い植村氏陣営はこの点でまたもや印象操作をしています。

この裁判のポイントは主に以下の点がありました。
1 慰安婦金学順氏はキーセン(妓生)学校出身である事を意図的に書かなかった。
2 植村氏の義母は慰安婦運動団体の幹部(梁順任ヤン・スニム氏)であり、同団体の訴訟を有利に進めるために記事を執筆した。
3 金学順氏は騙されて慰安婦になったのに、強制連行と書いた。

これらの点について西岡氏が「捏造」と推論し、捏造報道と指摘したのは全て一定の合理性があると認められました。
 1は金学順さん本人が貧しさ故親に売られたと言っており、それを書くと強制連行ストーリーと矛盾するため都合が悪く、これを書かなかった事が推定されます。2は自分の義理の母親が一般の韓国人というレベルの話ではなく、慰安婦運動団体の幹部という、当事者中の当事者で、関係があると考えるのは普通のことです。3も自分自身同じ記事本文中に「騙された」と書いているにもかかわらず、同じ記事のリード(見出し)で「連行」されたと書いており、意図的そのものです。意図的に読者を騙したと言って良いでしょう。

植村氏は墓穴を掘りました。自分は「強制連行」とは書いていない、騙されて慰安婦になったという趣旨の記事だったとこれまで度々主張していますが、であれば、「女子挺身隊」の名で戦場に「連行」され~という記事は、「強制連行」ではなく騙された被害者と知りつつもそれと矛盾する「連行」と記事で書いたことを自ら白状することとなりました。

なお、植村氏ですが、櫻井氏との裁判に負けた際の会見の動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=t7uVpAN5JO8&t=1540s

救いようがないのは、「自分は捏造記者ではない」とアピールし、身の潔白を証明すべきこの外国特派員協会での会見でも、平気で大嘘をついていることです。「捏造ではない」という趣旨の会見の場でまた捏造を行っているという事になります。どういう事かというと、強制連行の被害者ではない金学順氏について強制連行があったかのような記事を書いたことがまさに問題の中心となっているにもかかわらず、その点について何も知らない(もしくは元々グル)外国人記者相手に、
「私自身は『強制連行』とは書いていない、だまされて慰安婦にされたと書きました」「しかし、櫻井さんは私が強制連行と書いた、という事で批判しています」と答えています。

事実は植村氏の記事では、
「『女子挺身隊』の名で戦場に『連行』され、日本軍人相手に売春行為を強いられた朝鮮人従軍慰安婦~」
とありましたので、確かに「強制連行」とは書いていませんが、「連行」という言葉にはそもそも「(警察や軍などの公権力による)強制」の意味が含まれていますので、これは実質的な大嘘です。質問者や視聴者を過去の慰安婦記事同様、騙そうとしています。「連行」とは書いたが「強制連行」とは書いていない、というのは小学生以下のロジックです。植村氏のどこまでも汚い卑劣な人間性が見て取れます。
 今回の裁判ではそんな詭弁が通用するわけもなく、裁判所は西岡氏の指摘の真実性、すなわち事実ではないこと=強制連行を意図的に書いた事は事実、「植村氏は捏造」は事実と指摘しました。

植村氏の記事の一番重要な問題は、「『女子挺身隊』の名で戦場に『連行』され、日本軍人相手に売春行為を強いられた朝鮮人従軍慰安婦~」と、それまで朝日新聞が広めてきた吉田清治氏の強制連行ストーリー(軍などの公権力が「慰安婦狩り」を行った)を沿いながらそれを補完する形で(意図的に)誤解を招くような、事実と全く異なることを書いた事であり、この記事が事実と異なる事は当の朝日新聞も今では認めています。それを植村氏の義母が慰安婦運動団体の幹部である事実も含めて櫻井よしこさんや西岡力さんが指摘しただけのことです。

対照的な西岡氏の理路整然とした、堂々とした反論も併せてご覧ください。
チャンネル桜:元朝日新聞記者・植村隆氏からの挑戦状[桜H27/1/13]
https://www.youtube.com/watch?v=J_nJWRL4lk0

今回の判決が出て、いよいよ植村氏と支持者は論理的な反論が出来なくなりました。言うに事欠いて敗訴の理由も「安倍政権に忖度した司法のせい、右翼のせい」と主張していますのでどうしようもありません。

デイリー新潮:「慰安婦誤報」の植村隆氏が韓国紙に登場 バッシングも裁判敗訴も日本の右傾化のせい
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/06280601/
植村裁判を支える市民の会
http://sasaerukai.blogspot.com/

新聞社にとって、ミスによる「誤報」も不名誉で避けたいものですが、意図的な「捏造」は報道機関にとって致命的で、絶対に認めたくないものです。2014年朝日新聞が慰安婦問題で謝罪した際にもわざわざ「意図的な捻じ曲げはありませんでした」と釈明していました。
 今回の判決は、植村氏と朝日新聞による「捏造」が認定されたという意味で大変重要なものであり、それにより、植村氏と朝日新聞による意図的な捏造報道により日本国民や日本国家に対する名誉棄損も証明されたに等しいものとなりました。