2015年1月11日日曜日

朝日の反撃シリーズ「慰安婦問題を考える」を考える2

次に12月29日の鄭在貞(チョン・ジェジョン)さんです。

http://www.asahi.com/articles/ASGDT5FGWGDTUSPT00C.html

まずこの方の人物評を少々。あの産経の黒田氏が2012年に記事にしています。黒田氏の見解が100%絶対ではない可能性も当然ありますが、参考になります。

「鄭理事長は知日派の歴史学者(日韓近代史専攻)。日韓歴史共同研究委員会の韓国側メンバーを務め日本にも知己が多い。日本の「新しい歴史教科書」に対する反対運動の中心になり、現在は「歴史財団」のトップとして「独島守護」「日本海名称反対」など“対日歴史戦争”を陣頭指揮している」だそうです。

色文字部分が私のコメントです。

(慰安婦問題を考える)「日韓両政府が心のケアを」

鄭在貞さん(ソウル市立大教授)

 慰安婦問題は今や、解決の糸口さえつかめないと言う。本当にそうか。
 私は、政治的に解決させようという強い意志が韓日双方にあれば、難しくないとみている。いや、問題点が浮き彫りになった今はむしろチャンスだ。
 この問題がこれほどこじれたのは、主要プレーヤーともいえる4者が、互いにうまくコミュニケーションをとれなかったことに尽きる。4者とは、韓日両政府と元慰安婦たち、彼女たちを支援する支援団体だ。
 元慰安婦たちが名乗り出て問題が顕在化した盧泰愚(ノテウ)、宮沢喜一両政権の間では話はかみあっていた。河野談話が出て韓国側は評価し、金銭的な償いの代わりに、誠意ある謝罪や日本での歴史教育といった「心のケア」を求めた。韓国政府の基本姿勢は今も変わっていない。

うーん、「日本での歴史教育を求める」ですか?韓国側の見方や価値観を日本の若者全てに持つことを要求ですか?それが全く異論の無い人類の普遍的な価値観に基づく唯一無二の事実ならまだ分かりますが・・・
 何より重要なのは、おばあさんたちの「恨(ハン)」を晴らすことだった。それは日本で言う恨(うら)みとは違う。心の奥底に澱(おり)のようにたまった絶望感のような感情だ。

おばあさんたちの『恨(ハン)』を晴らすことだった、それは日本で言う恨(うら)みとは違う。」って言われてもそんなもん知らんがな、としか言いようがありません。例えば仮に日本人元慰安婦、韓国人元慰安婦、中国人元慰安婦、フィリピン人元慰安婦などなどがいて、同様の対応をするならまだ分かりますが、「韓国人には特有の恨(ハン)があるのでそれを晴らす」ために特別の対応をしろと?韓国人のケアは文化的背景もあってより大変だと?なぜそんな特別対応を要求するのですか?逆に不公平でしょう。

 だが、現実は逆に進んだ。日本からは「あれは娼婦(しょうふ)だ。商売だ」などという心ない言葉が次々に飛び出し、元慰安婦らの恨はさらに深まっていった。

何度も同じ話になりますが、元慰安婦は「娼婦や商売」とどう違うのでしょうか?私は必要以上に元慰安婦を侮辱する必要性は全く無いと思いますが、韓国の主張が事実と乖離して嘘のレベルになるならば、「違うでしょ?事実はこうですよ」ときちんと指摘する必要があると思います。それと「慰安婦は娼婦や商売とは全く違う」との主張は今でも韓国によく見られますが、ではどう違うのかを説明してもらいたいものです。性奴隷ですか?強制連行?1日300人にレイプされる?殺害される?殺されて兵士に肉を食べられた?論理的な説明も無いままに単に「あれは娼婦だ、商売だ。などと言うのは事実と異なる、ひどい、許せない」と根拠なく言われても困ります。

 問題がこじれ出すと、韓国政府は及び腰になった。金銭的な補償は韓国政府が責任をもってやる、支援団体の思いや要求はそれとして政府としての具体的な立場や要求はこれだ、と態度を明確にし、自国民を説得する必要があった。

まあ韓国国内の政治の事情なんて日本以上に魑魅魍魎の世界に見えますから、正直私には分かりません。しかし、確かに暴走する国内世論を放置して、本来日韓基本条約を結んだ当事者として条約を遵守する立場から、また一定の言論の自由を保証しつつ自国民をきちんと統治する立場から韓国政府がむしろ問題を拡大させた責任は大きいでしょう。何より韓国政府として「河野談話を出してくれればそれで全て終わりにするから」日本側に約束しながらむしろその後反故にして談話を言質にして執拗に攻撃を続ける政府の責任は大きいでしょう。日本側の善意を仇で返した形です。ああいう国ですから韓国政府が強権的に問題を収束させようと思えば出来ていたはずだと思います。

 確かにアジア女性基金の取り組みは評価できるが、問題点も多かった。日本は交戦国や支配した国への補償は極力避ける方針を掲げる。韓日も1965年に基本条約のほか、請求権や漁業、文化財などの協定を結んだ。現在の韓日関係のすべての出発点という意味で「65年体制」と言われる。

「交戦国や支配した国への補償は極力避ける方針を掲げる」ってそれは主観ではないですか?補償を逃げてきましたか?各国ときちんと決着をしてきましたが?それと日韓基本条約にご不満があるのでしょうか?個人的に不満を持つのは結構ですが、国として嫌だというなら破棄して原状回復か結び直しますか?

 今ごろになって日本は慰安婦問題で「何もやってこなかったわけではない」と言うが、女性基金は日本としての「償い」を堂々と表したわけではなかった。
 実際には多くが国のお金から出ているのに「民間」を前面に押し出す。基金には日本の首相のおわびの手紙が添えられた。元慰安婦の心をやわらげるせっかくの手紙なのに強くアピールしない。すべては65年体制を守るためだ。だが、堂々と「法的にはできないが、国としてギリギリの努力をした」と言えば、韓国側の受け止め方はかなり違っただろう。

ここは前日の大沼氏とは異なる見解ですね。「実際には多くが国のお金から出ているのに「民間」を前面に押し出す。~すべては65年体制を守るためだ。」ってそれはそうでしょう。だってあなた方は日韓基本条約で受け取りの済みの賠償金を元慰安婦達に払わずにネコババし、おかわりを日本側に無心するという無茶をやって、無理な要求に本来応える筋に無い日本側が何とか苦心して対応したのですよ?「65年体制を守り」たくないのならではどうしたいのですか?法的に決着したものを蒸し返し出したら法治社会や国同士の約束が崩壊しますよ?自分の都合の良いところだけは法や条約無視というなら単なる駄々っ子と変わりませんよ?例えば「本当にこのおもちゃで良いんだね?違うものが欲しいと後から言っても駄目だよ」との約束で子供にプレゼントを買ってあげた。でもその後に欲しい新しいおもちゃが出てきた。「買ってくれないと嫌だ、約束なんて関係なくてどうしても買ってくれないと嫌だー」と駄々をこねて泣き叫ぶ。店の床に転がる。その状況で仕方がないと言ってあなたはそのおもちゃを買いますか?

 65年体制も、実際には少しずつ変化してきている。基本条約には植民地支配に対する反省や謝罪は盛られなかったが、日本はその後、村山富市首相の談話や小渕恵三首相と金大中(キムデジュン)大統領による「パートナーシップ宣言」、併合100年を機に出した菅直人首相談話などでその姿勢を明確にしている。パートナーシップ宣言での反省と謝罪に関する文言は、日朝平壌宣言にも引き継がれた。

まあ韓国人や韓国という国家の基本として「植民地支配への恨み」を永遠に言い続けるというのがありますね。それも多くのプラス面は全く無視してマイナス面のみを強調して。格下と思っている相手に支配されたという屈辱はそれこそ1000年続くのかも知れませんね。でも何度も何度も謝罪をしてお詫びをして金銭的な補償もし、通貨危機なども何度も何度も助け続けても永遠に謝罪と反省と援助を求め続けるあなた方にこそ、日本人に韓国を嫌にさせ、友好を阻害する原因があるのではないでしょうか?今の日本国民の多くは終戦時に生まれてもいないのですが?それでも反省や謝罪を永遠に求めるのでしょう。

 漁業協定は改定され、請求権問題でもサハリン残留韓国人や在韓被爆者への補償は一定の前進をみた。残る大きな懸案は慰安婦問題だけといってもいい。

何を言っているのでしょうか?サハリン残留韓国人もあまり知られていないインチキ、それとさらりと大変重要な領土問題である竹島をスルーしていますね。この人が「残るは慰安婦問題だけ」と言ってそれが仮に何らかの形で解決したとしても韓国人は次の食い扶持・日本へのゆすりたかりのネタを探すでしょう。


 国交正常化は韓国、日本ともに政治指導者の大きな決断があって実現した。65年体制が変化してきたことを、「協定がなし崩しになる」とか「国交締結は誤りだった」などと恐れる必要はまったくないと私は思っている。むしろ、当時足りなかった部分を次世代がしっかり補う知恵を出したのだ、と胸を張るべきだ。

再度言いますが、これは日韓基本条約の破棄なのか、修正なのか、それとも条約はそのままにして条約に無い事を条約で決めたことも無視してやれという事ですか?日本の明治政府が、欧米に結ばされた不平等条約に粘り強く対応したようにやれば良いではないですか?一般社会を例にしても良いですが、「契約書はあるけどそれは無視して別の要求をする、家の賃貸契約書に書いていなくてもそんなものは関係ない、色々な名目で追加で金銭その他を要求する」、こんな事が許されるとでもお考えなのでしょうか?とても知識人の言葉とは思えません。

 その意味でこれまでの韓日関係に大きな役割を果たした政治指導者を父や祖父にもつ朴槿恵(パククネ)大統領と安倍晋三首相はともに政治的に決断しなければならない。
 慰安婦問題で最も重視されるべきは被害者である元慰安婦の思いだ。そして彼女らが求めるのは心のケアである。
 朴大統領は元慰安婦に会って、この間の政府の取り組みが十分ではなかったことを説明すべきだ。

韓国政府にも相応の責任と役割があるというのは同意します。しかも朴クネ大統領のお父様は話は若干違っても同種の問題=在韓米軍慰安婦の責任者だったという因縁もありますしね。現在訴訟が起こされている在韓米軍の122名の元慰安婦達にも誠実に対応してはいかがですか?

 一方、安倍さんは日本で「筆舌に尽くしがたい思いをされた慰安婦の方々のことを思うと本当に胸が痛む」と語る。これをおばあさんたちに直接話しかけてみてほしい。そうすれば、彼女たちの恨は必ず晴れる。(聞き手・箱田哲也)

必ず晴れる?晴れないでしょうねえ。晴れれば良いですが、そう言って過去にも河野談話の際にもあなた方日本人を騙したではないですか。

最後にこの方に是非お聞きしたいのは現在係争中の在韓米軍の元慰安婦122名が韓国政府を提訴している件についてどう思うかですね。この方は自分の国が自国女性を慰安婦として何十年も米軍に提供していた事に胸は痛まないのでしょうか?

是非とも彼女たちの「恨」も晴らしてあげてはいかがでしょうか?


     ◇
 チョン・ジェジョン ソウル市立大教授。歴史学者。日韓歴史共同研究の委員や韓国政府傘下機関の東北アジア歴史財団理事長を歴任。著書に「帝国日本の植民地支配と韓国鉄道」など。

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