2015年3月10日火曜日

山内康一元議員への反論

山内康一さんという元衆議院議員(自民→みんな→民主)という方がいます。今回ブログでアメリカの「デタラメ嘘教科書」について日本政府が積極的に修正依頼活動をすべきではなかったという見解のようですので反論いたします。

http://blogos.com/article/106965/

日本発の歴史教科書問題

旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐり、米国の高校教科書の記述訂正を求め、日本政府が働きかけました。

その結果、歴史学者20人が連名で、安倍政権を批判する声明を発表。米国内の知日派の議員や有識者等が、日米関係への影響を懸念しています。

歴史学者の声明は次のようなもの。(時事通信の報道から抜粋です。)

安倍政権は愛国教育を促進する努力の一環として、実証された慰安婦の歴史に声高に疑問を投げ掛けている。

歴史家として教科書を変更させようという試みに失望を表明する。

国が支援する性奴隷システムの本質的特徴に議論の余地はない。


いつも思いますが、当時としては高待遇の「売春婦」と「性奴隷」の違いは何でしょうか?

日本の見解や立場を「喧伝」すれば、国際社会から理解されるというのは、まったくもって幻想にすぎません。


そんな簡単に行くという幻想を皆が抱いているわけではないでしょう。むしろ何かアクションを起こして相手側から今回のような反論が一切無い方がおかしいでしょう。しかし、主張をやめればさらに誤解は定着していきます。

従軍慰安婦問題を過去の問題にすべく、やぶ蛇になるようなことはやめておき、謙虚な姿勢を取り続けるべきです。


「謙虚な姿勢」とはどういう意味でしょうか?泣き寝入りして黙っているという事でしょうか?誤解はより浸透します。必要な反論はすべきです。

国際社会が従軍慰安婦問題を見る時は、女性の人権問題として捉えています。21世紀の人権感覚で判断しています。


21世紀の人権感覚で判断している」というのは確かにそうかもしれません。しかしそれがいけないのです。あと出しじゃんけん、遡及法、許されません。

おそらく「日本人が悪い」というより、「昔の軍国主義が悪い」という認識で、現在の日本人を責めるつもりなどなく、ホロコースト等と同列の扱いでしょう。


ホロコーストと同じ扱いにしないでください。

「ナチスがホロコーストをやったから、現在のドイツ人もけしからん」という、無茶な論調はありません。

過去と現在のドイツ人を分けて考えて、国際社会は現在のドイツを評価します。対日認識も似たようなものでしょう。


ここは原則同意します。しかし、過去の世代に着せられた濡れ衣だからどうでも良いという事でしょうか?

慰安婦問題は、忌まわしい事件ですが、過去の問題であり、歴史上の出来事で、そこから教訓をくみ取れば十分です。


「過去の問題」とはどういう事でしょうか?その事が理由で韓国世論が大変硬直化しており、また、その事が理由で2年以上も1対1の日韓首脳会談が一度も行われていない異常事態になっているのは分かっているでしょうか?もちろん、日本人の名誉という問題もあります。

ささいな事実関係の誤りを指摘しても、国際社会の認識は全く変わりません。むしろ過去の問題から目を背ける日本、という悪いイメージが定着します。


マグローヒル教科書の誤りが「ささいな誤り」だと考えているのでしょうか?

従軍慰安婦問題では謙虚な姿勢を示し、これまでいかに謝罪し補償したかを、きちんと説明する方が効果的です。


アジア女性基金が金銭的な補償もやり、総理大臣の名前で謝罪の手紙も渡して、誠実に対応してきた事実を紹介しつつ、事実誤認があればその部分は指摘する、という対応が望ましいでしょう。


ああー、これは完全に河野談話→アジア女性基金→クマラスワミ報告の誤った態度ですね。謝罪を重ねる=悪い事をしましたと認める、そんな態度だからどんどん誤解が広まってどんどん慰安婦像が建ったわけではないですか。

政府が居丈高に訂正を要求するよりも、教科書の執筆者に会いに行ったうえで、次回から正確な記述にしてもらうよう、丁寧にお願いすべきだったと思います。


確かに著者サイドはそのように主張しているようですが、本当に「居丈高に訂正を要求」したかどうかは不明です。一方の主張のみを聞いてそれを鵜呑みにしてはいけません。
 
事実関係を示す正確なデータを示して、より誤解の少ない記述に変えるように、穏便にお願いするべきでした。


穏便にお願い」していないんでしょうか?「政府が居丈高に訂正を要求」したんでしょうか?ちゃんと「穏便にお願い」したのではないでしょうか?
 
日本政府が言論弾圧をしているように、外から見られるのは大きな損失です。これでは「歴史修正主義者」という、レッテルを否定できなくなります。


確かに「言論弾圧的」と取られないようにできるだけ慎重に丁寧にやるべき、というところは同意します。しかし、いかに丁寧に修正を申し入れても、いずれにしても何らかの形で文句は出ていたでしょうし、黙っている方の損失が大きいものと思います。山内氏はご自分が国会議員だった時にこういう誤りを正すような仕事はしたのでしょうか?

歴史教科書の修正を求める行為自体が、歴史修正主義者との批判の証拠になり、日本外交にとってマイナスになります。慎重に動くべきだったと思います。


ご自分で「教科書の執筆者に会いに行ったうえで、次回から正確な記述にしてもらうよう、丁寧にお願いすべきだった」と少し前に言いながら「歴史教科書の修正を求める行為自体が、歴史修正主義者との批判の証拠になり」というのは意味不明です。外務省は実際「教科書の執筆者に会いに行ったうえで、次回から正確な記述にしてもらうよう、丁寧にお願いした」のではないでしょうか?別に出回っている全教科書を即回収・全部刷り直し・配布し直しなどという現実的では無い事を居丈高に要求したわけではないと思いますが。

最後に一言。あなたはこれを目の前の在米邦人にも言えますか?

0 件のコメント:

コメントを投稿