2015年1月7日水曜日

朝日新聞の「幕引き宣言」

弊ブログの情報収集や整理が十分に追いつかない内に、やはり予想通りと言いますか、朝日新聞が慰安婦問題(における朝日新聞の加害者責任)の事実上の幕引き宣言です。1月5日に3つも作っていた外部委員会の最後である「信頼回復と再生のための委員会」の検証結果報告を渡辺社長が行いました。このまま逃げ切りたいのでしょう。

注目すべきはその席上での渡辺社長が質問に答えたくだりです。以下は読売新聞と産経新聞からです。

渡辺雅隆社長は、報道陣から「検証が不十分ではないか」と質問されると、「不明な部分が残ったとは考えていない。改めて何かをやることはない」と強調。「私が説明するのは取りあえずは今日まで」と述べ、問題に一区切りがついたとの認識を示した。(読売新聞)

過去の慰安婦をめぐる記事の作成経緯については「不明な部分が残ったとは考えていない。第三者委員会にしっかり議論していただいた」と述べ、これ以上は検証しない考えを示した。(産経新聞)

何ですと!?
「不明な部分が残ったとは考えていない」だって?

おいおい、ちょっと待ってくれよ。もうこれで終わりにしたいって?冗談言ってはいけません。確かに「第三者委員会報告書」はそれなりに踏み込んだものではあったし、意味がなかったとは言いません。でも「第三者委員会報告書」が正しいとは限らないでしょ?自らが設置した委員会の見解ですよ?「植村記者の意図的捏造報道は無かった」や「(朝日の慰安婦報道が国際的な慰安婦問題を激化させたとの見解と併記する形で)朝日新聞報道の影響は国際的には大きくは無かった」なんて書いてありましたよ?それが正しいとは信じられない人が私を含めて大勢いますよ。で、12月22日に第三者委員会報告を受けての具体的な責任の取り方について今後どうしたいかと問われた渡辺社長は「重く受け止める」を何度も年度も連発するのみ。

で 今回「不明な部分が残ったとは考えていない」ですか。本当に多くの人が納得する、心から反省して罪は全て潔く認め、膿を出し切った形ならばまだ分からな くもありませんが、「植村記者の意図的捏造報道は無かった」や「朝日新聞報道の影響は国際的には大きくは無かった」などと結論付けている報告を自ら設置した委員会に出させておいて「重く受け止める」「不明な部分が残ったとは考えていない」などと言って許され、それで全て終了したと思っているのでしょうか?

私の見解はこうです。今回当初「身内のお友達委員会」とも揶揄された第三者委員会の報告書が朝日擁護的だとあまりに分かりやすく、世間の朝日批判が再度沸騰するのが明白であったためにかなり批判はしてもらう。ただ致命傷になる「ここがばれたり認定される事だけは避けたい」というところだけは勘弁してもらう形にする。そして反省している姿勢を示し、「朝日新聞は改革します、生まれ変わりました」とアピールして世間に許してもらう。慰安婦「捏造」報道によって起きた事への責任は認めずあいまいにする、また被害についての原状回復のアクションは取らずに知らんぷり。私はこう理解しています。

以前書いたように慰安婦問題について100%全てが朝日新聞に責任があるとは言いません。しかし連係プレーの中心にいたのは間違いないでしょう。その中核的な役割を「政治動かした調査報道」などと格好つけて自分の紙面で誇っていたではないですか。盧泰愚大統領も言っていましたよ。1993年の河野談話につながっていく宮澤首相訪韓時の8回もの謝罪の引き金となった首相訪韓直前の1992年1月11日の記事は今回の第三者委員会報告でも「首相訪韓を狙った意図的なタイミングではなかった、偶然」と釈明した昨年8月5日の検証記事は嘘であり「首相訪韓の時期を意識し、慰安婦問題が政治課題となるよう企図したことは明らか」と指摘されていたではないですか。

一旦事実ではない噂や誤解が世界に広まってしまっても後は知らんぶりですか?「第三者委員会報告書」の英訳は世界に向け発信したいとは社長が言っていましたが、それだけですか?それでは不十分でしょう。朝日のみで世界から全ての誤解を消し去る事が容易にできるとは思ってはいませんが、やはりしっかり責任を取って、例えば巷間言われているような世界主要紙に謝罪広告を出すとか、お詫びと訂正の記事を国内外に発信し続けるとか、朝日が貯め込んでいる数千億円の内部留保を活用して広報活動のための基金を設置するとか、色々方策はあるでしょう。よく天声人語で「政治は知恵を絞れ」とか思い切り上から目線で言っているではないですか?今度は自分達の番ですよ。日本の国家と国民が受けた被害を少しでも軽減するために、出来ることは少しでも実行してください。再三「韓国人元慰安婦被害者の痛みを少しでも軽減すべく手を尽くすべきだ」などと主張しているではないですか。手を尽くして下さい。社長が「重く受け止める」と言葉で言うだけでは駄目なんです。

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