2015年1月31日土曜日

民主党野田政権が慰安婦問題で韓国に国家賠償支払い寸前だった?

実は民主党がこういう事をしていた」という大きなニュースがあります。

これを見て思い出したのですが、同種の話で批判を浴びつつ実現してしまったものがありましたね。菅直人政権時の日韓併合100周年の2010年に韓国向けのサービスのつもりだったのでしょうか、「朝鮮王室儀軌」の「返還」(と呼ぶとまずいので「引き渡し」と言い直していました)というものがありました。もちろん違法に奪ったものを返還するのではなく、合法的に日本に所有権が移転した朝鮮半島由来の文化財をサービスでプレゼントした、(韓国側は返還と認識)というものです。時の官房長官が仙谷由人氏、この人はチャイナの尖閣ビデオを非公開にした意思決定者の一人ですね。ちなみに仙谷氏が人権派弁護士時代から仲良しだったのが・・・脱線しましたが、こちらのニュースです。

http://www.sankei.com/world/news/150129/wor1501290028-n1.html
竹島上陸「就任前から意思」 李明博前大統領、回顧録で明かす
 韓国の李明博前大統領が来月2日に出版する回顧録で、2012年8月の竹島(島根県隠岐の島町)上陸について「就任前から訪問する意思を持っていた」と記述していることが29日、分かった。内容を入手した複数の韓国メディアが報じた。
 回顧録で李氏は「静かな外交はこれ以上、意味がないと思っていた。大統領が訪問し、わが領土だということを国際社会に刻みつける行為が必要だった」とした。
  慰安婦問題については「解決へ9合目を越えていた」と記述。野田佳彦首相(当時)が元慰安婦の女性らに書簡を送って謝罪し、日本政府予算で補償するとの解決策について、12年11月に東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が開かれたカンボジアで日韓首脳会談を行い最終合意する予定だったが、「直前に衆院解散が決まり霧散した」と述懐しているという。(共同)

まず大前提として1965年日韓基本条約で両国間の「補償問題」は「完全かつ最終的に」解決済みです。その際に個人補償分もまとめて韓国政府に支払っています。ですから以降の対日補償請求というのはルール違反の「謝罪と賠償のおかわり」になります。本来なら「自分達が払っておくから」と言っていた韓国政府に請求すべき筋のものです。

ですから1995年のアジア女性基金もこの法治や国同士の約束がひっくり返ってしまいかねない無理な話を、原則を壊さない形で何とかしようと国家賠償(=国家予算から支出)の形にならないように知恵を絞って苦心して作られたものです。(アジア女性基金を全面的に支持も批判もするものではありませんが、そういった日本側の苦心の作という側面があったという事です)この原則を一旦破ると、これまで日本が解決してきた様々な外交や補償の問題が次々に再噴出して、整合性の観点からも収拾が付かなくなってしまいます。

この大原則を民主党政権最終盤の時点でひっくり返そうとしていた?と、李明博前大統領が回顧録で暴露したという話です。本当でしょうか?何を勝手な事を、国民に秘密裏に実行しようとしていたのでしょうか?もしこの話が事実であり実行していたら大変な事でした。河野談話をさらに強化し正式に罪を認めた形になり、日本の悪名はさらに永遠に固定されていたでしょう。

本当であってもなくても、民主党の野田さんや当時の執行部、岡田現代表はしっかりと国民に説明責任を果たして欲しいものです。

「国民には知る権利がある」んでしょ?
 
もしこれがガセなら民主党は疑念を解くためにも「そのような事実は無い」と表明すべきだと思います。民主党に期待はしませんが、一応政権奪回を目指す政党、相手はリタイアした方ですから、もしその相手がいい加減な嘘を言っていたら一言は言うべきでしょう。

2015年1月30日金曜日

江川紹子女史VS朝日新聞訴訟原告団

先日行われた対朝日新聞訴訟の原告団の記者会見で興味深いやり取りがありましたので検証したいと思います。ちなみにこの動画はそれ以外の部分もとても参考になるものです。原告団のいくつかの論点や多少脱線もありますが挑発に乗らない冷静な説明や上手い切り返しも素晴らしいと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=D8ACD5ctO_Q

この中で有名なジャーナリスト江川紹子女史が出てきます。別に彼女は必ずしも左派やリベラル派の代表という訳ではなく、違う意見もあろうとは思いますが、彼女の発言や論点は朝日新聞(的なもの)にシンパシーを抱く人たちの分かりやすい見本かなと思いました。なお、彼女は「(知人でもある)元朝日新聞の植村隆記者をこれ以上批判しても意味は無い、もうやめよう」という趣旨の記事も書いています。

動画にある以下の彼女の質問は現在の朝日新聞的慰安婦問題の視点に共通して見られます。

・「強制連行が無ければ『(日本の)恥(註:意味としては言われなき汚名や棄損された名誉と言い換えても良い)』は無かったと考えるのか?」
→「強制連行は無くても『慰安婦制度があった』という日本の恥や汚点は変わらずにあるではないか」という意味であると理解します。

・「強制連行が無ければ慰安婦問題は無かったと考えるのか?」
→「強制連行は無くても『慰安婦問題』が無くなるわけではない、強制連行の有無に関係なく『慰安婦問題』自体は厳然としてあるではないか」という意味であると理解します。

・「強制連行が無ければ慰安婦問題=売春問題という事か?」
→「『慰安婦問題』と『売春問題』を一緒にするな。両者は別物だ、慰安婦問題には売春問題とは別の問題が存在するのだ」という意味であると理解します。

・「強制連行が無ければ慰安婦に強制性は一切無かった、という事で良いか?」
→「強制連行は無くても『(広義の)強制性』があったではないか、その意味で慰安婦問題は存在したではないか、慰安婦問題の重大なポイントは強制連行の有無ではなく『強制性』である」という意味であると理解します。

今、崩れつつある朝日新聞や左派の論点(韓国での論点にも繋がる)が良く分かると思いました。

2015年1月29日木曜日

せこい朝日新聞

普段政府や国民に対して自分達があたかも上位の存在であるかのような上から目線で大上段の議論を展開する朝日新聞ですが、自社が8700人に訴えられたニュースをどう報道するか紙面を確認したところ、せこーい出し方をしていました。提訴翌日の1月27日付の朝日新聞紙面を確認しました。失笑してしまうのは私だけでしょうか?


































写真の通りですが、すごく小さく、社会面のメインである第一社会面・第二社会面(37面・36面)ではなく第三社会面である35面にひっそりと掲載されています。「漱石全集未収録のはがき」の記事の下こっそりあります。

当該記事がどういう大きさや扱いになるかについては、当日の他のニュースとの兼ね合いもあって相対的になりますから、ヨルダン関連のニュース一色であったこの日に扱いが比較的小さくなるのは仕方が無い面もあります。それでも読売や産経は普通にメイン社会面にそれなりの大きさで報じていました。一方で朝日新聞は自社に都合の悪いこのニュースの出し方があまりに小さく目立たず、なかなか見つけることができませんでした。朝日読者でも新聞をじっくり隅々まで読むような方でないと見つけられないかも知れません。

自社がその報道で8700人に訴えられたという記事を全く出さないのは当然さらなる非難を浴びる事になります。だからまさにこういうのをアリバイ的対応というのでしょう。

「国民の知る権利が~」「言論の自由が~」「女性の人権が~」などと普段言っていても所詮この程度です。

さらには英語版には出していない?私が確認した限りでは英語版(オンライン)ではダンマリです!都合の良い(自分達が主張したい)慰安婦関連ニュースはたくさん英語で発信しているにもかかわらずです。lawsuitでもヒットしません。
http://ajw.asahi.com/tag/comfort%20women

Japan Timesや
http://www.japantimes.co.jp/news/2015/01/27/national/8700-sue-asahi-shimbun-retracted-sex-slave-articles

読売英語版
http://the-japan-news.com/news/article/0001884645

では出ています。

恥の概念がある人、全てを自分に都合良く解釈できる図々しさが無い人には朝日新聞社員は務まらないでしょうか。

2015年1月28日水曜日

朝日新聞の第三者委員会報告のポイントまとめ2

12月26日社長記者会見
(渡辺社長および西村編集担当取締役が主に回答)

・虚偽である吉田清治証言放置や1997年検証が中途半端に終わったこと、池上コラム不掲載問題や8月の検証時に謝罪をしなかった事などの事については認めて謝罪の姿勢。一方で嘘や意図的捻じ曲げの類は一切存在を認めず。
・「吉田清治証言が虚偽との事で、結局強制連行は無かったと考えるのか?」という問いに対して「朝鮮半島での強制連行の証拠は見つかっていない」とのみ回答するに留まる。その関連で「では旧日本軍の組織的強制連行は無かったと考えるのか?」「過去の強制連行報道の誤りを認めるのか?」と聞かれても、これらには明確には回答せず「そこも含めて慰安婦の方々の様々な実相に迫る報道をこれからも行っていく」と回答。
・第三者委員会に「8月5日の検証が不十分であった」と指摘を受けた点については「重く受け止めるが、これからも慰安婦の実像に迫っていく報道を行っていくので、これ以上の別の検証を行う予定は無い」とのこと。
・「『広義の強制性』論へのシフトは議論のすり替え、と第三者委員会に批判されたが、見解はどうか?」と指摘されるも、「重く受け止めるが、今後も全体像も含めて慰安婦の実像に迫っていく報道を行っていく」と回答。
・批判された「広義の強制性」についても結局明確な見解を示さず。(会見のやり取りを見る限り、「広義の強制性」は引っ込めていないものと考えられる
・朝日新聞の慰安婦報道で日本や世界に影響を与えてしまった点については第三者委員会報告書を英訳して海外メディアなどに送付する事以外に現時点では特に何も予定は無く、引き続き慰安婦報道をしていくとの事。
・第三者委員会報告の国際社会への影響については「一定程度影響があった~極めて限定的」と社長が都合良く言い換えをしたように思われた。
・「国際的影響について委員の意見が分かれたが、これに見られるように慰安婦問題は本当に幅があって単純ではなく、全体像を掴むのが難しい。そういう事もあり、今後も様々な視点からの慰安婦の報道に取組む」との事。

まとめ:前回の「朝日新聞の第三者委員会報告のポイントまとめ1」も含めて一連の説明を総合して感じた重要な点がいくつかあります。

・比較的軽めの問題点については認めて謝罪する一方、一連の報道に意図的捏造や歪曲があったとは決して認めない。
・重要事項の内では例外的に1992年1月の宮澤首相訪韓については意識していたと第三者委員会が認定し、朝日新聞もこれを否定せず。
「広義の強制性」論は第三者委員会からも批判されつつも、これを取り下げる姿勢は見せず。
朝日新聞の報道の加害性や国内外に与えた影響の責任は基本的に認めない。これらについての是正措置など積極的に対応するなどの姿勢は示さず。(第三者委員会報告書の英訳程度に留まる)
「慰安婦の方々の様々な実相に迫る報道をこれからも行っていく」を繰り返し、まだまだ引き続き慰安婦報道を続ける意思を示す。

その後の約一か月間の報道姿勢を見ても、まだまだ闘っていきますよ、という事であると理解しました。

2015年1月27日火曜日

朝日新聞の第三者委員会報告のポイントまとめ1

昨年12月22日に朝日新聞の第三者委員会報告書が発表されてから一か月以上が経過しましたが、そのポイントをまとめたいと思います。

http://www.asahi.com/shimbun/3rd/3rd.html

まず時系列です。

8月5日・6日 慰安婦問題検証記事
12月22日 第三者委員会報告書発表、全委員による記者会見
12月26日 第三者委員会報告書提出を受けて朝日新聞社長が記者会見

報告書も110ページありますし、会見も長いので、フォローするのは正直なかなか大変です。しかし、私の方で確認した重要と思われるポイントを皆さんとシェアしたいと思います。主な点としては以下の通りです。

8月5日・6日検証記事

吉田清治証言は嘘であった、関連記事を取り消す。(謝罪は無し)
②植村隆元記者の1991年の2本の記事は慰安婦と女子挺身隊間違って混同してしまったものであって意図的な捏造・事実の捻じ曲げは無く、また、義母が幹部を務める団体の裁判のためであったという事もない。
③1992年1月11日の記事は偶然にも首相訪韓の時期と重なったものであり、狙い撃ちではない。
④吉田清治証言が嘘だったからと言って女性が自由と尊厳を奪われたという強制性があった慰安婦の問題は変わらない。本質は女性の人権問題である、これを直視せよ。

12月22日第三者委員会報告(報告書の内容+記者会見)

①吉田清治については当然嘘、これを訂正せずに放置した責任は大きい。
②植村隆元記者の記事は意図的ねじ曲げとは認められないが、「8月記事では実際と異なる表現を用いているため強制的な事案であるとの誤ったイメージを読者に与えかねないこと、12月の記事においては、金氏が(註:キーセンも含め)慰安婦となった経緯についても正確な事実を提示し、読者の判断に委ねるべきであった」という評価。「安易かつ不用意な記載であり読者の誤解を招くもの」「『だまされた』ことと『連行』とは、社会通念あるいは日常の用語法からすれば両立しない。」とも指摘される。
会見で「12月記事は裁判訴状(金学順さんが養父に連れられて、と記載)を見た後に書いたにもかかわらず、キーセンについて書いていないだけではなく養父を『地区の仕事をしている人』に書き換えたというのは意図的な事実のねじ曲げではないか?」と質問者が粘って追及するが、中込秀樹委員長が「事実のねじ曲げではない」「録音テープを再現したらこうだったという説明で承知した」「その先と言うか、そこまでの検証で十分だと判断した」「ご意見はご意見で十分承りました」と回答。(この委員長の説明は前後のやり取りの切れ味の鋭さや正確さを見ていても、能力や経歴的にも正直信じられません)
③1992年1月11日の記事は首相訪韓狙い撃ち疑惑については狙い撃ちの意図があったかまでは確認できないが、「慰安婦問題が政治課題となるよう企図して記事としたことは明らか」と認定。
④1997年3月31日の検証記事など、(吉田清治的な)狭義の強制性が崩れた後の(河野談話に依拠した)「広義の強制性」論は議論のすり替えである。
⑤池上コラム不掲載については、9月11日会見時の木村前社長と杉浦前取締役の説明は事実を正確に反映していたとは言えず、実質的には木村前社長の判断であった(会見で「思い込み」と説明)と認定。
⑥朝日新聞慰安婦報道が国際的に与えた影響については3つの説(評価が分かれたというよりもアプローチの違いとの説明)を併記うち2つはかなりあったと言って良いもの。残る1つ(林委員)については影響は大きかったとは言えない、という結論。(この林氏の内容については別の機会に検証予定です)

次回に続きます。

2015年1月26日月曜日

朝日新聞が8700人に訴えられる!

朝日新聞を相手取った訴訟が開始されました。「『日本軍に組織的に強制連行された慰安婦』というねじ曲げられた歴史を国際社会に拡散させ、わが国が激しい非難を浴びる原因になった」(原告団、産経新聞より)との事で本日東京地裁に提訴がなされました。重要だと思われるので各紙ご紹介します。

産経新聞(朝日の慰安婦問題に先頭に立って取り組んできた事に敬意を表します)
http://www.sankei.com/affairs/news/150126/afr1501260037-n1.html

(産経新聞より)
「朝日新聞」を8700人が集団提訴 慰安婦問題「虚偽報道で人格傷つけられた」…1人「1万円」の慰謝料と謝罪広告求める

 慰安婦をめぐる朝日新聞の報道により、誤った事実を国際社会に広め、日本国民の人格権や名誉を傷つけたとして、市民ら約8700人が26日、同社に1人当たり1万円の慰謝料と謝罪広告を求める訴訟を東京地裁に起こした。
 原告側が問題としているのは「慰安婦を強制連行した」とする吉田清治氏の証言に基づいた記事など13本。朝日新聞は昨年8月に吉田氏の証言を虚偽と判断、記事を取り消した。
 原告側は訴状で「日本の官憲が慰安婦を強制連行したという証拠はない」と主張。その上で、問題の記事は「『日本軍に組織的に強制連行された慰安婦』というねじ曲げられた歴史を国際社会に拡散させ、わが国が激しい非難を浴びる原因になった」と指摘する。
 原告にはジャーナリストや国会議員も含まれる。今後2次提訴も検討中で、最終的に原告数は1万2千~3千人になるという。
 提訴後に記者会見した原告団長の渡部昇一上智大名誉教授は「朝日新聞が国民に恥ずかしい思いをさせていることに心から怒りを感じている」と述べた。
 朝日新聞社広報部は「訴状をよく読んで対応を検討する」とコメントした。

読売新聞(読売もこの問題でかなり頑張ってきましたね)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150126-OYT1T50109.html?from=ytop_main4

産経にもありますが、「2月にも追加提訴する予定で、最終的に1万人を超える見通し」というのがポイントでしょうか。

毎日新聞(淡々と伝えているように見えます)
http://mainichi.jp/select/news/20150127k0000m040029000c.html

NHK(ニュースで紹介した模様であるのは大きいですね。NHKしか見ていないような方々でも「8700人だなんて、朝日新聞は何か大きな問題があるのだ」と感じるでしょう。ちなみに朝日とは「女性戦犯国際法廷」問題で安倍氏や故中川氏も絡めて泥仕合の間柄で、先日も朝日が「NHK、問われる「公共感覚」籾井会長、就任1年」とやった因縁もあります。)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150126/k10014976961000.html

そして、、、訴えられた朝日新聞です。

http://www.asahi.com/articles/ASH1V4VTJH1VUTIL027.html

淡々とではありますが、意外と普通に報じています。さすがにこれまで隠すとさらに叩かれると思ったのでしょうか。さらに、私が見たところなぜか朝日のみ「国内外の8749人」と記載しており、「海外からも訴えられている」事をちゃんと報じているので、これは素直に評価したいと思います。

しかし、8700人もの国民・読者が新聞社をしかも主力商品そのものであるその報道を巡って訴えた大ニュースですからね。

今回の原告団は最終的には一万人オーバーの見込み、NHKに対する集団訴訟もまだ高裁段階ですが勝訴の実績もあり、今回も期待されます。

訴訟の行方はもちろんの事、この訴訟が朝日新聞や慰安婦問題に好影響を与えることを期待します。

なお、原告に加わりたい方は現時点でも2月にも追加提訴という事なので、ご興味があれば、こちらをご覧ください。

http://www.asahi-tadasukai.jp/

裁判の行方は当然として、取り急ぎ気になるのが明日の紙面での扱いの大きさです。各紙どれぐらいの扱いにするのか。そして、今後続報をどうしていくのか。注目していきます。

2015年1月25日日曜日

欠陥商品の回収責任

朝日新聞慰安婦「誤報」について今後どうしてくれるのでしょうか?散々嘘を垂れ流しておいて国内だけではなく世界にも広まって新社長の謝罪や「重く受け止める」だけでは済みませんよ?

例えばこれが食品だったならどうでしょうか?虫や異物混入などという話は時々ありますが、昨今「そこまでやらなくても・・・」というぐらいのレベルで当該企業が叩かれ、また徹底的に商品を回収しますね。

家電製品で火事の可能性があるなど危険があると判明したものは膨大な時間と手間とコストをかけてTVCMや飲食店に置くチラシなどあらゆる手段で問題の商品を回収しています。

それが責任です。
朝日新聞もそうすべきです。

報道や情報は食品や工業製品ではありません。世界中に誤解が拡散して拡大再生産されている中、完全に回収するのは不可能でしょう。しかし、努力はすべきです。朝日新聞自身よく他人には偉そうに言っているではないですか。

「知恵を絞り手を尽くすべきだ」と。

2015年1月24日土曜日

朝日慰安婦報道考―こちらのブログ様の朝日新聞に関するスタンスを支持させていただきます

先日の西岡先生同様、勝手ながらこちらのブログ様を支持させていただきます。

http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20150113/1421130974

こちらのブログ様はキャリアも内容のレベルも弊ブログとは比較にならない程素晴らしいものです。プロ級だと思います。その著者木走さんは朝日新聞問題についてもこれまで度々しっかりと考証されております。

「朝日新聞は慰安婦で捏造報道をしていない」のか?

これについてこちらのブログ様の内容に沿って改めて考えていきたいと思います。
(長いです)

1991年8月11日付け朝日新聞記事の書き出しです。

    日中戦争や第二次大戦の際、「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり、「韓国挺身隊問題対策協議会」(尹貞玉・共同代表、十六団体約三十万人)が聞き取りを始めた。


 <「女子挺身隊」の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた「朝鮮人従軍慰安婦」>、普通の日本語能力があれば、読者はこの書き出しは極めて事実報道記事としてあいまいなことに気づきます。

 いったい誰がこの気の毒な女性を連行し売春を強いたのか、肝心の主語がないのです。

 この主語がない書き出しが極めて意図的で重要なのであります。


その通りです。この記事では「誰が金学順さんを連行したか」が意図的なのかそうで無いのか分かりませんが、書かれておりません。主語が抜かれています。 「日本軍が連行したのか?」「警察が連行したのか?」それとも「朝鮮人売春ブローカーが連行したのか?」

記事は公権力による動員である「女子挺身隊」として 「戦場に連行され」たですから、普通は軍や警察などの公権力に連れて行かれた=強制連行された、と普通の日本語能力を持った日本人ならば理解します。それを23年後の今になって「連れて行かれたという意味で連行とは書いたが、強制連行とは書いていないから強制連行説は広めていない」という説明ですか。「軍や官憲とも書いていないから嘘は書いていない」ですか?おそらく99%以上の日本人読者はこの記事を読んで(真の事実である)「朝鮮人売春ブローカーである養父に連れて行かれた」とは到底理解できせん。書いていないのだから真実を知りようがありません。

 この問題の記事冒頭部分に関して、朝日新聞は昨年12月、実に掲載より23年の長きを経て、「誤りとして、おわびして訂正します」と謝罪、過去記事デー タベース上も「この女性が挺身隊の名で戦場に連行された事実はありません」との事実無根との「おことわりをつけます」としました。

「元慰安婦、初の証言」の記事について
「女子挺身隊」「連行」の記述訂正
「日中戦争や第2次大戦の際、『女子挺身(ていしん)隊』の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』のうち、1人がソウル市内に生存していることがわかり……」(91年8月11日付朝刊社会面〈大阪本社版〉)

 これは、「元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀重い口開く」との見出しで掲載した記事の前文部分です。記事は、韓国人の元慰安婦の一人が初めて、自らの過去を「韓国挺身隊問題対策協議会」に証言したことを、録音テープをもとに伝えました。

 しかし、同記事の本文はこの女性の話として「だまされて慰安婦にされた」と書いています。この女性が挺身隊の名で戦場に連行された事実はありません。

 前文の「『女子挺身隊』の名で戦場に連行され」とした部分は誤りとして、おわびして訂正します。

 第三者委員会に対し、筆者の植村隆・元記者(56)は「あくまでもだまされた事案との認識であり、単に戦場に連れて行かれたという意味で『連行』という言葉を用いたに過ぎず、強制連行されたと伝えるつもりはなかった」との趣旨の説明をしたといいます。

 第三者委は報告書で、「だまされた」事例であることをテープ聴取で明確に理解していたにもかかわらず、この前文の表現は「『女子挺身隊』と『連行』という言葉の持つ一般的なイメージから、強制的に連行されたという印象を与える」などと指摘しました。

  また報告書は、挺身隊と慰安婦の混同について、91年から92年ころにかけて両者の違いが急速に意識されるようになるまでは、「両者を混同 した不明確な表現が朝日新聞に限らず多く見られたという実態があった」との見解を示しました。朝日新聞は今年8月の検証記事で、この記事に「意図的な事実 のねじ曲げはない」と結論づけました。報告書はそれだけでなく、「読者に正確な事実を伝えるという観点から、前文部分の記載内容も含め、さらに踏み込んで 検討すべきであった」としました。この指摘についても、重く受け止めます。

 この記事には、過去記事を閲覧できるデータベース上で、挺身隊の混同がみられたことから誤用したことを示すおことわりをつけています。今後、改めて、「この女性が挺身隊の名で戦場に連行された事実はありません」といったおことわりをつけます。


http://www.asahi.com/shimbun/3rd/2014122337.html


この1991年8月11日記事の本文中では「だまされて慰安婦にされた」と事実も書いています。それを知りながらなぜ見出しや前文では本文(=だまされた) とは食い違う大きな誤解を生む書き方をしたのでしょう?見出しや前文は重要です。読者は忙しかったりして本文を全て読めない場合もあります。見出しや前文のみ読む場合もあります。また、その後記事を全部読んでいくにしても見出しや前文の印象を持ったまま読み進めるケースも多く、全体の理解をしていくにあたってどういうイメージを持つのかにおいて大きなインパクトを与えます。
見出しや前文に誘導される事もあります。

  つまり、<『女子挺身(ていしん)隊』の名で戦場に連行され、>の部分は、朝日新聞自身が「誤りとして、おわびして訂正します」、「この女性が挺身隊の名で戦場に連行された事実はありません」と、謝罪して訂正すべき事実無根の文章であったことを認めています。

その通り、意図的であったかどうかの点が未解明であるのはともかく、既に朝日新聞自身が第三者委員会報告に基づき、この記事が事実と異なる誤りであった事を認めています。

  実際はこの女性はキーセンに40円で売られ養父に中国に連れていかれたことが12月6日の裁判の訴状でも明らかになっているのですが、その 事実を隠し、本人が言ってもいない<『女子挺身(ていしん)隊』の名で戦場に連行され、>と付け加えていたことこそが、本記事が単なる「誤報」ではなく 「捏造」記事であると批判されてきた所以です。

(※当該記者は本記事は8月で訴状を見る前だったと主張していますが、仮にそうであったと しても、本件に関する当該記者による12月25日付け第二弾記事においても、すでに訴状既読済みであると本人も認めているうえで、やはりキーセンの事実は意図して隠ぺいされています。)

 さて本記事の記者がこの記事は「捏造」ではないと記者会見をしています。

【全文】「私は捏造記者ではありません。不当なバッシングに屈するわけには行かないのです。」〜慰安婦問題で元朝日新聞記者の植村隆氏が会見

http://blogos.com/article/103130/


 捏造の言葉の定義を三省堂広辞林より押さえておきましょう。

ねつ ぞう -ざう [0] 【捏▼造】

( 名 ) スル

〔「でつぞう(捏造)」の慣用読み〕

実際にはありもしない事柄を,事実であるかのようにつくり上げること。でっちあげ。 「会見記を-する」

http://www.weblio.jp/content/%E6%8D%8F%E9%80%A0

 
 捏造とは「実際にはありもしない事柄を,事実であるかのようにつくり上げること」とあります。

 従って一般的には「捏造」記事は、2つの手法が取られます。

(捏造手法1):事実無根の「捏造」

 事実無根の事柄を事実のように報道する。


 「捏造」記事を完遂するためにときに2番目の手法を取ります。

(捏造手法2):事実の「隠ぺい」

 重要な事実を隠して報道しない。


 一般に「捏造」報道とは、(捏造手法1)あるいは(捏造手法2)あるいはその両方を駆使して行われるものであります。


この「捏造」についての考察には興味深いものがあります。通常捏造というと1の無から有を作り出すものを想像しますが、2も重要ですね。そしてその二つを巧みに組み合わせる。都合の良いところのみを抜き出す。無ければ創作する。都合の悪いところは隠す。こうして事実とは別の、時には正反対の情報を伝える事になります。これは罪です。

 今回問題の記事は、事実無根の事柄「『女子挺身(ていしん)隊』の名で戦場に連行され」たとの書き出しが(捏造手法1)、キーセンに40円で売られ養父に中国に連れていかれたという本当の事実を隠ぺいしている点が(捏造手法2)にあてはまりますか ら、常識的に「捏造」記事と批判されて当然でしょう。

 少なくとも単なる誤用とは判断できるわけがありません。

 上記の昨年12月の朝日記事では、挺身隊と慰安婦の混同について、「意図的な事実のねじ曲げはない」と結論づけました、とあります。

     また報告書は、挺身隊と慰安婦の混同について、91年から92年ころにかけて両者の違いが急速に意識されるようになるまでは、「両者を混同した不明確な表現が朝日新聞に限らず多く見られたという実態があった」との見解を示しました。朝日新聞は今年8月の検証記事で、この記事に「意図的な事実のねじ曲げはない」と結論づけました。報告書はそれだけでなく、「読者に正確な事実を伝えるという観点から、前文部分の記載内容も含め、さらに踏み込んで検討すべきであった」としました。この指摘についても、重く受け止めます。

 こここそが重要な論点です。

 「両者を混同した不明確な表現が朝日新聞に限らず多く見られたという実態があった」、当時メディアはみんな誤用していたという説明は、一連の朝日新聞の「捏造」報道の流れから言って説明になっていないからです。

 大きな流れでいえば、朝日新聞の一連の従軍慰安婦捏造報道の3大問題記事の中でこの記者の記事は時系列では2番目に当たります。

 当ブログの過去エントリーより抜粋しておきます。

     本件に関わる捏造報道の始まりは、河野談話が発表される11年前の82年9月2日、朝日新聞は「朝鮮の女性 私も連行」と題する「スクープ」記事を大きく掲載します。

        (前略)

          その証言が始まると、大阪の500人の聴衆はしんとして聞き入ったという。

         「当時、われわれは『狩り出し』という言葉を使っていた・・・泣き叫ぶというような生やさしいものではない。船に積み込まれる時には、全員がうつろな目をして廃人のようになっていた・・・」

         これは、昭和18年夏、わずか一週間で朝鮮・済州島の若い女性200人を狩り出した吉田清治氏の懺悔だ。吉田氏は女工から海女まで手当たり次第に拉致し、慰安婦に仕上げたという。

        (後略)

     これ以後、吉田氏は朝日紙面に何度も登場し、従軍慰安婦の悲惨さを語り尽くします。

     しかしこの吉田証言は完全な作り話でした。証言が本になってすぐに現地の『済州新報』が取材していますが、一つも事実が見つかりませんでした。また韓国の郷土史家は何年も調査し、拉致の事実はなかったと断定、吉田の本を『日本人の悪徳ぶりを示す軽薄な商魂の産物』とこき下ろします。

     つまり、吉田氏は本を売って儲けるため、嘘八百を並べ立てたということです、最後には吉田氏自身が「証言は捏造だった」と認め、朝日新聞も《氏の著述を裏付ける証拠は出ておらず、真偽は確認できない》(97年3月31日付)と、「証拠は出ておらず、真偽は確認できない」ことは認めます。

     しかしこの証言は独り歩きし、その後「日本軍が韓国人女性を性奴隷にした」ことが国際的に広まってしまうきっかけを作りました、吉田氏を祭り上げた朝日新聞の罪は極めて重いといっていいでしょう。

     朝日の大スクープ第二段は、91年8月11日付の《元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀 重い口開く》という記事で、元従軍慰安婦が初めて名乗りを上げたことを報じたものです。

     この記事は『女子挺身隊の名で連行され』と書いてありますが、実はこれは大捏造であり、名乗りを上げた金学順さんは女子挺身隊で連行されたのではなく、母親に40円でキーセンに売られたと明言していることが今ではわかっています。

     問題は、記事を書いた朝日記者の韓国人妻の母が、太平洋戦争遺族会の常任理事だったことです。

     この団体が金学順さんに日本政府相手に裁判を起こすよう勧めるんです。キーセン出身を隠し、しかも身内を利する記事を書いたわけで、悪意に満ちた意図的な捏造報道であります。

     この第二段捏造記事は朝日の狙い通り、国の内外で大反響を起こします、この記事が一つのきっかけになって1991年12月の政府による従軍慰安婦問題調査開始に繋がっているのです。


この植村隆氏の1991年12月25日の記事が国内外に火を付けて、政府を慰安婦問題に追い込んでいったとの見解です。この記事が出た時点では既に金学順さんと植村氏の義母粱順任氏の韓国太平洋戦争犠牲者遺族会の日本政府相手の訴訟は始まっていましたが、それにさらに火を付けたという形のようでした。この12月25日の記事の時点では植村氏は裁判の訴状も読み、確実に「金学順さんはキーセン出身であり、養父によって慰安婦にさせられた」事実を知っていましたが、なぜかこの時点でもキーセンの事は伏せ、「養父が金さんを連れて行った」事実を「地区の仕事をしている人に連れて行かれた」と書き換えています。何ですか一体、「地区の仕事をしている人」って?造語ですか? 「地区の仕事をしている人」と聞けばイメージとしては普通は公的機関関係者町内会の役員的な人などを想像しますね。まさか朝鮮人売春ブローカーとは思いませんよね?朝日新聞的には「朝鮮人売春ブローカー」=「地区の仕事をしている人」なのでしょうか?ものすごい想像力と言うか、創造力ですね。

     さて朝日捏造記事により日本政府は従軍慰安婦問題調査開始にまで追い込まれていったわけですが、ここで朝日新聞は第三弾の記事を1面トップで報道します。

この1992年1月11日記事が一連の慰安婦報道において決定的な役割を果たしたというのは私も同じ見解です。
  
     政府が調査を開始した翌月、すなわち1992年1月11日付の1面トップで《慰安所 軍関与の通達・日誌 募集含め監督・統制》という記事を掲げます。

     この陸軍資料は『慰安婦募集に際して業者が悪どい手口を使うので取り締まれ』という内容なだけなのに、それをあたかも『軍の関与』とさも悪いことのように報じます。


その通り、「慰安婦募集に際して業者が悪どい手口を使うので取り締まれ」という内容を「これまでの政府答弁は嘘で、実は慰安婦には軍が関与していました!」と持って行ったのは「慰安婦の約八割が朝鮮人、挺身隊で強制連行」などとするその記事の悪辣な虚偽用語解説メモ(これも最近朝日新聞が事実ではないとして取り消し)とセットであったため、大変悪質です。当初嘘をついて誤魔化していた政府も悪いと思います。しかし、宮澤首相訪韓直前にこれです。2014年8月検証記事では「この記事は首相訪韓時期を狙ったものではありません」としらばっくれていた朝日新聞ですが、第三者委員会にこの点を「首相訪韓の時期を意識し、慰安婦問題が政治課題となるよう企図して記事としたことは明らか」と指摘され、認めざるを得ない形となりました。悪質過ぎます。

     この記事は当時の宮沢喜一政権にとって最悪のタイミングとなります、宮沢首相が訪韓する5日前で、それまで国の介入を否定していた日本政府に、決定的な「圧力」を加える意図を感じます。

     この記事も大反響を起こし、記事を受け、当時の加藤紘一官房長官は事実調査の前に「お詫びと反省」の談話を発表してしまうのです。

     そしてあわれ宮沢首相は、空港に押し寄せた大デモ隊の罵倒する声に迎えられ、韓国で宮沢首相はなんと8回も謝罪するハメになるのです。


訳も分からぬままに8回も謝罪してしまった宮澤首相や加藤官房長官も悪いですが、この首相の8回の謝罪でその後の方向性は決まったと言っても良いでしょう。これは韓国側や朝日新聞謝罪を直接(狭義に)強制したわけではないにしても、事実とは異なる言説まで用いてそうせざるを得ない状況や雰囲気に日本政府を追い込んだ朝日新聞の(広義の)強制性があったのではな いでしょうか?

     このような朝日新聞の悪意ある報道により、日本政府はどんどん追い詰められていったわけです。

     そして、93年8月4日、「河野談話」が表明されます。

     検証したとおり、「従軍慰安婦問題」及びこの「河野談話」の真の生みの親は、一連の朝日新聞捏造報道であるといって過言ではないでしょう。


この認識は私も同じです。現在も生き続ける諸悪の根源である河野談話の一番の生みの親は朝日新聞であると思っています。

 ・・・

 82年9月2日から何度も朝日が取り上げた「日本軍関係者としてたくさんの朝鮮人を従軍慰安婦として強制連行した」という吉田清治捏造発言ですが、捏造とはばれていなかった当時から、大きな問題がありました。

 それはこれだけの規模の「犯罪」が朝鮮各地で行われていたとしたら、なぜ被害者である元慰安婦が誰一人名乗り上げてこないのだろう、という当然の疑問でした。

  山口県労務報国会・下関支部動員部長だった という吉田 清治は、1943(昭和18)年5月、西部軍司令部(福岡)から交付された「 皇軍慰問・朝鮮人女子挺身隊200名、年齢18歳以上30歳未満・・・」 などとする動員命令にもとづき、朝鮮の済 州 島 で「慰安婦狩り」 を実行に移したのだと発言していました。

 ここに「皇軍慰問・朝鮮人女子挺身隊」という言葉が使われていたのです。

 ここから、事実上広く「挺身隊」=「慰安婦」という、とんでもない出鱈目・誤用が始まっています。

 それはともかく、この吉田発言が虚言であるとは知らずキャンペーンをはった朝日にしてみれば、吉田発言で「加害者」の証言は得た、あと必要なのは「被害者」つまり元慰安婦の証言なのでした。

 そこで日本の一部の弁護士や朝日新聞記者などが必死で発言してくれる元慰安婦を探していたわけです。

 そのことは当該記者自身も認めています。

 そんな状況の中で 朝日の大スクープ第二段、91年8月11日付の《元朝鮮人従軍慰安婦 戦後半世紀 重い口開く》という記事で、元従軍慰安婦が初めて名乗りを上げたことを報じたのです。

 キーセンに40円で売られた女性を『女子挺身隊の名で連行され』と捏造したこの報道の背景には、時系列で分析すれば、朝日が描いていたシナリオにかなう「事実」報道を目指していたことが浮き彫りになりましょう。

 偽りの吉田証言に呼応するために養父にキーセンに売られててはいけない、吉田のような日本軍関係者に『女子挺身隊の名で連行され』ないといけないわけです、つまり朝日の過去記事のシナリオに即して事実を「捏造」したのではないのか、との当然の疑問が出てくるわけです。

私は朝日新聞の慰安婦報道は10年20年単位の数百件(トータルは確認すらできません)もの記事が織りなした全社一丸となった、さらには社内外が連携し、さ らには国境をも超えて推進した壮大で遠大なキャンペーンであったと理解しています。いくつかの中核的な大スクープ記事があり、それらを数多の社説や記事が支えていく、さらには外部の個人団体も連携する、さらには他国までもが呼応する。このようなものであったと理解しています。これは朝日新聞がその中心的役割を離れた今でも続いており、拡大再生産され続けています。

 事実この報道の後で、『女子挺身隊』の「加害者」である吉田氏は「被害者」である金学順さんにわざわざ韓国に出向いて謝罪するという「セレモニー」が実現しています。

これは2000年の「女性戦犯国際法廷」(元朝日新聞編集委員の松井やより氏が中心)同様、とんだ茶番劇ですね。しかし今なら茶番と笑えるような低レベルの話でもこれらに騙され影響を受けた人々がどれだけいたでしょうか。決して笑い事ではありませんでした。

 ・・・

 当該記者は「週刊文春」誌上での記述で名誉毀損されたとして、同日、発行元の文藝春秋と記事内で発言を行った西岡力・東京基督教大教授に対し、計1650万円の損害賠償と謝罪広告などを求める訴えを東京地裁に起こしました。

 170人の弁護士団に守られながらです。

 ネット上ではこの裁判に、本件における言論空間が萎縮しているように見えます。


同様に感じている人は多いでしょう。

「民主主義を守る」
「言論の自由を守る」

と言っている人(達)が、自分(達)を批判する言論を言論ではなく訴訟という手段をもってヒステリックに封じ込めようとしている事に異様さや違和感を感じる人が多い事に気づいていないのでしょうか?いや、委縮させる事を分かっていてやっているものと推測します。有力弁護士が170人も集まって自分達に力が無いと認識していない方がおかしいでしょう。

 当ブログはここではっきり申します。

 当該記事が捏造記事かどうか、メディア論的にはいまだ全く検証されていません。

 普通の日本語読解力があれば、これはメディアリテラシーの教科書に乗せてもいいような作為ある捏造事例であるという、疑惑はまったく晴れていないのではないでしょうか。

 言論には言論で反論せよといいたい。

 当ブログはこの議論からは断じて降りません。

 
(木走まさみず)

この毅然とした態度と信念、素晴らしいですね。

2015年1月23日金曜日

慰安婦と教科書

最近慰安婦を巡る高校の教科書の記述日米で対照的な話がありましたので、ご紹介します。日本では削除、アメリカでは嘘を載せ続けるという話です。

まず、朝日新聞が社説で批判した数研出版教科書が「従軍慰安婦」の記述を削除についてご紹介します。産経新聞からです。

http://www.sankei.com/life/news/150109/lif1501090022-n1.html

教科書から「従軍慰安婦」「強制連行」の記述削除 高校公民で 数研出版、文科省に訂正申請

(略)

 政治・経済では「戦時中の日本への強制連行や『従軍慰安婦』などに対するつぐないなど、個人に対するさまざまな戦後補償問題も議論されている」との記述を、「韓国については、戦時中に日本から被害を受けた個人が、謝罪を要求したり補償を求める裁判を起こしたりしている(戦後補償問題)」と訂正した。

(略)

再度書きますが、これは自社の商品=教科書に客観的事実を掲載する必要性、さらには顧客は教育現場というより一層高いモラルや正確性が求められる商品です。その教科書に正確な事実とは言えないものや誤解を招くものを掲載し続けるのではなく、より適切なものにしていく、至極当たり前の事です。朝日新聞は自身が特定のイデオロギーに拘り過ぎて時として事実を伝えるという報道の使命を忘れ、事実では無い事を世の中に流し続けた事を教科書会社にもやれと言っているのでしょうか?

一方、アメリカの教科書会社大手、マグローヒル社の嘘の内容の高校教科書が事実とかなり異なるため外務省が修正を申し入れましたが、間違っていないと主張しているとの事。読売新聞からです。

http://www.yomiuri.co.jp/world/20150117-OYT1T50070.html

米出版社、従軍慰安婦記述巡る教科書訂正を拒否
 【ニューヨーク=広瀬英治】米国の公立高校向けの世界史教科書にいわゆる従軍慰安婦問題をめぐる誤った記述があるとして、外務省が米大手教育出版社「マグロウヒル」(本社・ニューヨーク)に訂正を申し入れていた問題で、同社は訂正を拒否することがわかった。
 同社は16日、読売新聞の取材に対し、「(執筆した)学者は『慰安婦』の歴史的事実に基づいており、我々は疑う余地なく著者の記述、研究と説明を支持する」と答えた。
 問題の教科書はカリフォルニア州などで使われており~(略)

まあ、これは酷い内容です。(藤岡先生の訳をお借りします)

「日本軍は14歳から20歳までの20万人もの女性を、強制的に連行し」
「日本軍は慰安婦たちを天皇の贈り物と言いながら兵士に提供」
「女性たちは、朝鮮、台湾、満州などの日本の植民地や、フィリピンの日本軍占領地など東南アジアの地域から連れて来られた女性の多数は朝鮮と中国の出身者だった。」
「逃げようとしたり性病にかかったりした者は、日本兵に殺された。
「戦争が終わるころには、慰安所でやっていたことを隠すために、多数の慰安婦を虐殺した。

という感じです。もちろん慰安婦が給料をもらっていた事も一切触れられていません。日本人慰安婦についても一切触れられていません。悪質な嘘教育はすぐに止め、かつ、誤りを認めて欲しいですね。

こんな嘘を過去・現在・未来のアメリカの高校生(これにて学んでいる人数は不明)に刷り込んで、日本が極悪非道の国と認識されています。今「それは違う」と我々が説明しても「自分の都合の悪い過去を隠す卑怯者」扱いです。誤解が再生産されています。どうしてくれるのでしょうか?これは日本国家や日本人に対する大変な冤罪・名誉棄損であり、私は大きな精神的苦痛を感じます。祖先が事実に基づかずに犯罪者扱いされています。それが「歴史的事実に基づいており」ですと?笑わせてはいけません。こんな嘘がずっと罷り通るはずはありませんし、いずれ謝罪・修正という事になると思います。こんな嘘にこだわり続けても著者の学者としての名声や業績、教科書会社としての信用に傷が付くだけだと思います。

なお、この著者はハワイ大学歴史学科の2人組だと思われますが、その内のシニア格(この部分はこの人が担当したのかも知れません)の方が2012年に他界しているようなので、それもあってマグローヒル社としても即座に適切な判断が下せないのかも知れません。だからと言って嘘が許される訳ではありません。嘘はいけません。

2015年1月22日木曜日

朝日新聞「慰安婦」社説―なぜ粘るのか

朝日新聞が慰安婦の問題でまだまだしぶとく粘っています。反省が無いのか吹っ切れたのか会社が潰れるまでやると決めたのでしょうか。 

(追記:第三者委員会の報告を受けても、慰安婦の実相に向き合い、読者に伝える取り組みを一層進めます。と会見でも宣言していましたので、まあとことんまでやるのでしょう。それはそれで結構です。ただ、これまで年末の社長会見以降の6件ほどの記事を見ても、以前との違いが感じられないところに違和感を覚えます。社長が会見で今後は反対意見を含めて「もっと多様な言論を紙上で切り結ぶ」とかって言っていましたからね。それはまだ見られません。)

今年になってからも以前の論調と変わらない社説を2回出しましたが、今日また日本の教科書会社が「従軍慰安婦」の言葉を削除する事に異を唱えています。「天声人語」からです。

「慰安婦」記述―事実をなぜ削るのか

 教科書会社の数研出版が、高校の公民科の教科書3点から「従軍慰安婦」の言葉を削除する。戦時下で将兵の性の相手をさせられた女性についての記述が、同社の教科書から消える。

 記述の「誤記」を理由として文部科学省に訂正を申請し、認められた。この春から教室で使われる教科書に反映される。

 例えば「現代社会」の教科書では、「強制連行された人々や『従軍慰安婦』らによる訴訟が続いている」というくだりを、「国や企業に対して謝罪の要求や補償を求める訴訟が起こされた」と直すことにした。

(略)

 数研出版は朝日新聞の取材に「より客観的な事実関係を述べるように見直した」と答えた。

 自社サイトでは「高校の先生へ」として「客観的事情の変更等」があったとし、生徒に必要に応じて周知するよう求めた。

 だが、事情が具体的にどう変わったかにはふれていない。これでは教員もどう生徒に伝えてよいかわからない。訂正の経緯と理由を丁寧に説明すべきだ。

 文科省も「誤り」ではない記述の訂正をなぜ認めたのか。「直した後の記述が間違いでないため認めた」というが、こちらも説明する責任がある。

 教科書各社の関連記述をめぐっては、「新しい歴史教科書をつくる会」が昨年9月、「慰安婦」「強制連行」の記述の削除や訂正を教科書会社に勧告するよう文科相に求めた。

 朝日新聞は、慰安婦にするため女性を暴力的に無理やり連れ出したとする故吉田清治氏の証言記事を取り消した。同会はそれを挙げ「『慰安婦問題』は問題として消滅した」と主張する。だがそういった極端な主張は、日本が人権を軽視しているという国際社会の見方を生む。

 慰安婦問題は日本にとって負の歴史だ。だからこそきちんと教え、悲劇が二度と起きないようにしなければならない。

 論争のあるテーマだが、避けて通るべきではない。議論の背景や論点など多様な視点を示す必要がある。教科書はそのためのものであってほしい。



なぜ削るか―あなた方の提唱する視点での「従軍慰安婦問題」が崩壊しつつあって、教科書=自社商品に掲載する内容としては極めて疑わしく不適切になりつつあるからです。妥当です。

文科省との「誤記」の訂正の手続き論云々は枝葉に過ぎません。より重要な、教科書に真実として載せる内容として事実として疑わしいと判断したのではないでしょうか。朝日新聞のように自分達が信じるものはたとえ事実とずれていても正義と信じて発信し続けるような事を他者に強要してはいけません。普通は事実として疑わしくなったら朝日新聞のように拘泥せずにきちんと回収・修正するんです。

数研出版や文科省も丁寧に説明すべき?じゃあ自分達もちゃんと説明してくださいよ。32年も問題を放置しておいて、何を言っているんですか?謝罪会見してもう終わったつもりですか?まだまだ謎は残っていますよ?第三者委員会の報告が出た後でも社長は「重く受け止める」を連発するのみで例えば「広義の強制性」についての見解を問われてもすっ呆けたままですね?数研出版や文科省より朝日新聞の方がよほど説明すべき事がまだまだあるでしょ?欠陥商品=垂れ流し続けた誤報をどうやって回収するんですか?

「日本が人権を軽視」?では人権重視の朝日新聞としては在韓米軍慰安婦の裁判(2014年6月に1回ちょこっと報道しただけですね?公判の様子や韓国政府の主張など続報がありませんね)もきちんと報道してください。日本人慰安婦についても触れて下さい。現在世界中にいる韓国人慰安婦(売春婦)の事も報道してください。戦時中の日本軍の慰安所にいた朝鮮人女性の数よりおそらく多い数の韓国人女性(5万人以上)が現在日本で性的に搾取(売春)されていますよ?「戦時下で将兵の性の相手をさせられた女性」ならぬ「経済社会的な必要性の下で日本人の性の相手をさせられている女性」自発的という可能性もあるもののたくさんいるのですが。

2015年1月18日日曜日

朝日新聞慰安婦報道第三者委員会報告についての基本スタンス

昨年12月22日に発表された朝日新聞慰安婦報道第三者委員会報告書。これについての基本的スタンスをお伝えしたいと思います。

世の中でどんなものでも100%良いものや100%悪いものは非常に少ないと思います。人も同じです。朝日新聞慰安婦報道第三者委員会報告書も同じであると考えています。全面的に同意できる部分、同意しかねる部分、良い部分、悪い部分、色々あります。特に今回のように一部別々のメンバーがそれぞれの作成した文書を別々に掲載している形式であればなおさら部分ごとの違いが出ます。

私はこれについて良い部分は積極的に参考にして、活用させてもらいたいと思っております。例えば、 53ページからの波多野澄雄氏の分析は素晴らしいと思いました。私の考えに近いというだけではなく、多くの事項が時系列で適切かつ詳細に分かりやすくまとめられており、とても良い内容であると思います。(追記:「それなりに国際的に定着していた河野談話を安倍首相他が『河野談話は吉田清治証言に依拠している』という誤認の下で批判し、結果として河野談話の信頼性を低下させたのは遺憾」という認識を除く。誤認はともかく、「永遠に誤解を生み続ける河野談話を守り続ける」というのには私は反対です。)

「都合の良いところを切り取っている」という批判もあるかも知れません。しかし私は良いものは良い、悪いものは悪い、良い人にも悪いところもある、悪い人にも良いところもある、というスタンスで考えておりますので、何事も良い部分は積極的に評価していきたい、というのが私の基本スタンスになります。

2015年1月15日木曜日

西岡教授が勝訴!

昨日ご紹介した西岡力教授ですが、先日の植村氏ではなく、別件(これも慰安婦関連で訴えられていた)の裁判で最高裁が上告棄却により勝訴が確定したようです。ソースは産経新聞です。

http://www.sankei.com/affairs/news/150115/afr1501150024-n1.html

この記事中の「原告の弁護士の男性」って誰なのでしょうかねえ??

いずれにしても西岡先生おめでとうございます!

慰安婦問題経緯おさらい(国内を中心に)


さて、今回は慰安婦問題のおおまかな流れを日本国内を中心にできるだけざっくり(と言いつつそれなりになってしまいます)とおさらいしてみましょう。他にもありますが、分かりやすいように特に重要だと思われる点を中心にご紹介します。(重要な部分をさらに加えるため、初回投稿時より一部加筆修正しました。意味の大きな変更はありません。)

《準備期》
①1980年代~詐欺師吉田清治氏が嘘話をばらまく。内容は朝鮮(済州島)で女性(及び男性→強制労働)に銃剣を突きつけてトラックに放り込み女子挺身隊の名で連れ去り実際は慰安婦にしたというもの。朝日新聞が中心となり、同氏をスターとして盛んに喧伝。(1982年~1990年代前半)ただし、この時点では具体的な「被害者」は登場しない。

《金学順さん他本物の元慰安婦が登場》
②1991年8月11日、今話題の朝日新聞植村隆記者(当時大阪社会部)が朝鮮人元慰安婦が実在したとの大スクープ。「女子挺身隊の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』のうち、1人(金学順さん、記事中では匿名)がソウル市内に生存していることがわかり~」と金学順さん本人が言っていない内容で紹介。一方で金さんが親に売られてキーセン学校出身であった事伏せる。タイミング良く、3日後の8月14日に金さんが実名で登場し記者会見。

金さんの登場は、吉田清治の証言を裏付ける形となり、世界初の実在の慰安婦を紹介する大スクープであった。「生存していることがわかり」という表現を今改めて見ても「本当にいたんだ!」という印象を予備知識無しに初めて読んだならば受ける。なお、植村氏は現在まで「捏造はしていない、私は捏造記者ではない」と主張

韓国側団体の活動激化
③1991年12月6日、金学順さんを含む元慰安婦日本政府相手に訴訟開始。(後に敗訴)この訴訟を韓国太平洋戦争犠牲者遺族会が支援。同会の幹部に植村氏の義母である粱順任氏。

《防戦していた日本政府に痛撃を与えて政府を大炎上・謝罪に追い込む
④1992年1月11日、朝日新聞が1面トップで「慰安所 軍関与示す資料」と報じる

なお、さらに悪質であったのはこの時の記事に付け加えた「従軍慰安婦の用語説明メモとして、「多くは朝鮮人女性」の見出しと共に「(ソースを示さずに、また証言内容の出鱈目振りから判断するに、場合によっては本物ではない?)元軍人や軍医などの証言によると、開設当初から約八割が朝鮮人女性だったといわれる。太平洋戦争に入ると、主として朝鮮人女性を挺身(ていしん)隊の名で強制連行した。その人数は八万とも二十万ともいわれる」と大変な誤解をもたらす内容で記載した。これは、例えば秦郁彦先生のような専門家を除けばほとんどの一般読者は「ええ!?そうだったのか」と思ってしまうのが普通であろう。

これを受け1月13日には早速加藤紘一官房長官が何が悪いのが分からない(何も決まっていない)状態であったにもかかわらず「衷心よりおわびと反省」と謝罪してしまう。おそらくはそれまで政府が「慰安婦は民間業者がやった事、軍は全く関与していません」と下手に隠そうとしたが故に墓穴を掘って混乱した事もあったと推測される。
 
この1月11日記事は宮澤首相の訪韓を5日後に控えたタイミングであり、それまで「従軍慰安婦は民間業者が連れ歩いていたもの」としていた政府は蜂の巣を突いた大騒ぎに。急遽首相訪韓キャンセルとも行かず、慰安婦問題の調査・事実確認や調整の時間も無く、大パニックに。

記事の出た翌1月12日以降、韓国でも主要各紙が大々的に報じ、韓国での慰安婦と挺身隊との混同も原因として「12歳の少女までもが強制的に慰安婦にされていた」との誤解も相まって韓国において大炎上となる。さらには首相訪韓開始日の1月16日には逆輸入の形で朝日新聞が「小学生まで慰安婦に」「韓国国民の対日感情が急速に悪化」とも報道。

結局、詳細な情報や今後の方針も無いままに宮澤首相が訪韓時盧泰愚大統領に8回も謝罪する事に。当然真相究明と善処を約束させられることに。

《日本政府が謝罪を加速
⑤1992年7月6日、加藤紘一官房長官が談話発表。政府の関与があった」「改めて衷心よりお詫びと反省の気持ち

今も大きな足枷として残る謝罪の決定版
⑥1993年8月4日、河野洋平官房長官談話(河野談話)発表。これが決定打となる。ポイントは
「おわびと反省」表明
本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり
「慰安婦集めに官憲等が直接これに加担したこともあった
さらに、河野談話文書中では書いていないのに記者会見で「強制連行の事実があったという認識か?」と聞かれた際に河野氏が口頭で
そういう事実があったと。結構です」と回答。何が「結構」だ!?
これを受けて韓国側は「日本政府強制連行を認めた」としてさらなる追及が激化。

首相のおわびと(民間の形態だが)補償へ
⑦1995年村山政権下においてアジア女性基金が設立され、元慰安婦への償い金や首相からの謝罪の手紙が渡される事業を開始。

未来を担う日本の子供達にも教育を通して誤解が広まる
⑧1990年代中頃には日本の高校教科書や中学教科書の多くに「従軍慰安婦」が登場し、子供達を汚染していく。

朝日新聞が執拗にキャンペーン&追い討ち
⑨この間(1991年1月~1997年頃まで)も朝日新聞は社説や記事で第三者委員会報告書(53ページ~)に記載されている主要なものだけでも20本程度(確認しきれないがそれ以外も含めればおそらくはさらに多く)、「日本は悪、慰安婦に補償せよ」との論調で執拗に攻撃を続け、また世論に訴え続ける。
 
この後1996年に国連クマラスワミ報告など韓国以外でも国際的な広がりやさらなる誤解も加熱していく。

どうでしょうか。私はこの一連の流れの中で閣議決定経ているいないなど関係無く、日本の国家として公式に罪を認めたと世界で受け取られている(それはそうでしょう)河野談話が決定打であったと思いますし、当時の政府のいい加減な姿勢も糾弾されるべきですが、河野談話を出さざるを得ない状況に政府を追い込んで行ったのは朝日新聞の報道が中心的な役割を担ったと理解しています。朝日自身も1994年に「政治動かした調査報道」と自認し、自慢していました。「重く受け止める」「捏造はしていない」では済まないんですよ。

2015年1月14日水曜日

植村隆氏に訴えられた西岡力教授を支持させていただきます(西岡先生動画あり)

≪拡散のご協力をお願いします≫

170人の大弁護団を擁する元朝日新聞の植村隆氏に訴えられた東京基督大西岡力教授支持させていただきます。弁護士費用などの形での支援はできないかも知れませんし、必要との話も現時点ではありませんが、まずはここに勝手ながら西岡先生の立場を支持する事を表明いたします。皆さんもよろしければ西岡先生支持・支援をご検討いただければ幸いです。

西岡先生は先般ご紹介した「朝日新聞『慰安婦報道』に対する独立検証委員会」のキーパーソンでもあり、そちらの方に悪影響が出ない事も祈りたいです。

今回は元朝日記者植村隆氏による裁判について、週刊文春と共に被告である西岡先生の動画です。

大きな疑問を感じる今回の植村氏とその支援者による訴訟ですが、西岡先生の理路整然かつ冷静な語り口で論点がよく分かります。西岡先生にはやましいところは無いものと感じました。時間のある方はぜひご覧ください。

西岡力教授動画 元朝日新聞記者・植村隆氏からの挑戦状[チャンネルH27/1/13] 


なお、私の理解した重要と思われる点を以下に挙げます。

・植村氏は金学順さん本人が言っていない「女子挺身隊として戦場に連行された」と書いた。(2014年になり本人は他紙もやっていたように混同したと説明)つまり言っていない事を書いた。
・植村氏は金学順さんが母親にキーセンに売られたという重要な事実があった事を知りつつ書かなかった。つまり言っていた事を書かなかった。
・これらは吉田清治の「女子挺身隊として慰安婦を狩り集めた」という主張にも通じるという点で、当初疑問視されていた「慰安婦=女子挺身隊として連行された」という実例が本当に存在した、という意味で間違った認識を日本社会や世界に広めた。
・日本政府相手に訴訟を起こした韓国人団体幹部粱順任(ヤンスニム)の利害関係者である義理の息子である同氏が結果的にその裁判に影響するような記事を書いていたというのは倫理の面でもいかがなものか。
・家族が脅迫などの被害を受ける事と間違った記事を書いた事が批判を受けるべきではないという事とは別の話。
・西岡氏は1992年から植村氏の批判をしていたが植村氏は今回の裁判直前まで沈黙を守り反論せず。今回訴えた相手の文芸春秋社の週刊文春の記事が載った際にも取材拒否西岡氏の取材の要請や対談の呼びかけも拒否。産経新聞の取材もずっと拒否。
「捏造ではない」と主張するならば言論人として堂々と捏造ではないという事を裁判ではなく言論で(註:一方通行ではなく)論争して欲しかった。他にもこれから次々と訴訟を起こすらしいが、今からでも遅くないので言論には言論でという形で論争をして欲しい。ネットの不当な攻撃に対して訴えるのは構わないが言論での論争を終えてからにして欲しい。
・(これは出演者の三輪氏の発言であるが)植村氏や家族への攻撃と西岡氏の論文やコメントとの因果関係は無いのではないか。
・これは言論の自由を脅かすものではないか。
・西岡氏は高木健一弁護士からも慰安婦関係(「反日」指摘)で訴えられており、一審二審で西岡氏が勝訴、現在最高裁で係争中。
・他の例(吉見教授→桜内前衆院議員)も含め、言論ではなく裁判という手段で敵対者の言論を封じる形であるのは民主主義社会にとって危険である。

2015年1月13日火曜日

言論の自由、脅迫の自由、表現の自由、捏造の自由

最近いわゆるヘイトスピーチやフランスでのテロ、産経新聞ソウル支局長への弾圧そして朝日新聞の「誤報」など言論の自由表現の自由などについての議論が盛んです。今回はそれについて考えます。

言論の自由はあります。無い国もありますが、民主国家では社会の根幹とされる事が多いでしょう。

脅迫の自由はどうでしょう?まあこれは無いでしょう。法に触れるというのはもちろん、脅迫はいけません。もちろん暴力の自由も無く、気に入らない言論に対して暴力で答えるのも許されません。

表現の自由はどうでしょう。時として限度もあるとは思いますが、まあこれもあるでしょう。報道の自由もあるでしょう。

では捏造の自由はどうでしょうか?こんなものはありません。捏造報道など許されるわけがありません。法的な問題の有無以前に道義的に許されるはずも無く、そのような報道機関があるとすれば市場から淘汰されるでしょうし、そもそも捏造報道を行う報道機関はもはや報道機関ではありません。宗教団体や特定政党の広報部門と同じかそれ以下です。いや、宗教団体や特定政党の広報部門ではなく報道機関を装い、「新聞が言うのだから事実だろう、TVが言うから本当なのだろう」と大衆を惑わし騙すという点でさらに性質が悪いとも言えます。また関連して、捏造までは行かなくとも虚報や誤報は許されるという訳にも行かず、その報道機関の影響力が大きいほどその責任は増します。もちろん人間ですから間違いは起きます。それは仕方がありません。ただ、間違いを犯した際は放置や隠蔽は許されず、適切に対応する事が求められます。

まとめます。日本や他の民主主義社会では言論の自由、表現の自由、報道の自由があります。ただ、それは言うまでも無く事実の範囲内で、という前提です。捏造報道の自由などありません。法的に罰されるところまで行かない場合でも社会が受け入れません。新聞などそのメディアのカラーや多様性まで無くせと言っているのではありません。あくまで事実の範囲内や誤解を招かない範囲ででやってくれという事です。言論の自由、表現の自由、報道の自由が存在する事と、嘘報道の自由を履き違えてはいけません。脅迫をもって制裁を加えるなどという事は論外ですが、嘘報道をするのも自由であり権利であるなどと考える事は許されません。

2015年1月12日月曜日

朝日の反撃シリーズ「慰安婦問題を考える」を考える3

12月30日の第3回は熊谷奈緒子さんです。「慰安婦問題」という著書もあるようです。

http://www.asahi.com/articles/ASGDW760BGDWUTIL01M.html

色文字部分が私のコメントです。

(慰安婦問題を考える)実態の究明、一刻も早く

熊谷奈緒子さん(国際大学大学院専任講師)

 朝日新聞による8月の特集以降、慰安婦問題は 「おわび」や「政治的意図」をめぐるメディア問題になった。ただ、先日出された第三者委員会の報告では、先入観や思い込みを排し、一部の情報源に過剰に頼らない、など納得できる指摘・提言も数多くあった。これを踏まえ、今後は問題解決に向けた議論を深めていかなければいけない。
 まず、慰安婦問題を巡る現状を整理しておきたい。
 「軍による強制連行がなければ日本に責任はない」という主張がある一方で、「意に反して自由を奪われた」という「強制性」が問題だという論調もある。前者は公文書に重きを置くあまり裁判で認定されるなどした証言を考慮しようとしない。後者は逆に、被害者に寄り添うあまり客観的に事実を把握しようという姿勢に欠ける。
 海外ではどうか。「強制連行を示す文書は見つかっていない」という主張は
「言い訳」「日本は反省していない」と受け止められている。女性の人権が侵された事実に重きを置いているからだが、「性奴隷」「20万人」など被害の実態や数について明確な根拠に基づかない事実誤認も見受けられる。

「女性の人権侵害」ですか。この方に限らず、最近では朝日新聞など「強制連行」が崩れてからは拠り所になっていますね。これについては後ほど触れます。

 こうした問題の複雑性や国内外で見られる認識の齟齬(そご)にどう対応していけばいいのか。
 まず日本は、旧日本軍が関与した慰安所で心身にわたり癒えないほどの傷を与えてしまった被害者へのおわびの気持ちを一貫性を持って伝えることだ。

「慰安所で心身にわたり癒えないほどの傷を与えてしまった被害者」ということですが、はっきしてもらいたいのはそう言った「被害者」というのは元慰安婦全員なのか?それとも当時の法や社会常識に照らし合わせてみても犯罪被害に遭って酷い扱いを受けた人(例えば誘拐、レイプ被害者など)の事なのか?被害者というのは朝鮮人なのか、日本人も含むのか?非常に曖昧だと思います。


その象徴として、政府は河野談話の継承を明言して、日本の責任を否定するような「問題発言」があった場合は即座に打ち消して、相手の不信感を取り除く。

これは駄目でしょうね。河野談話の文書中には「強制連行」認定の文言は無かった訳ですが、河野氏は記者会見で口頭で強制連行を認めています。私はこれは河野氏の脱線や暴走ではなく当時としては散々やり取りした上で韓国側の要求に対し「文書には残せないが補足として口頭でここまで言いましょう」というぎりぎりの善意の政治的判断だったと思います。「書けないが口頭で」というのはあります。それを逆に利用されてしまった。私の理解では「河野談話」とはその文書のみならず河野氏が会見で口頭で話した内容も含めてのセットになって世界に拡散・理解されているものと思っています。しかも昨年の作成過程の検証で明らかになったように河野談話は内容が事実に基づかない可能性があるのは承知の上での問題の幕引きのための政治文書だったわけです。日本では100%自分が悪くなくても、また100%事実ではなくとも「すみません」などと言いますね。それに対して相手が「謝罪したという事は自分の罪を認めたことだな?では罪を認め賠償しろ!」と責めることもありません。ところが世界の常識では一般にこういうものは通用しません。「謝罪=事実である」であり、罪を認めたことになります。「全て事実ではなかったけど韓国との関係をスムーズにするためにとりあえず河野談話で謝った、それで問題は終わりになる約束だった」などというのは世界では理解されません。中国ではたとえ事実でも死んでも罪は認めない・謝らないという文化もありますね。この方もニューヨーク市立大大学院で政治学博士号を取ったのならばこの辺の事は当然分かるでしょうに。

市民と政府による償い事業としては多くの被害者から拒否されたアジア女性基金について、評価される点と教訓を引き出し、今後の和解策を探る。

「多くの被害者から拒否されたアジア女性基金」という事ですが、韓国社会で政治的意図を持って受け取りを拒否させる動きがあった事は前々回の大沼氏のところでも書いた通りです。それと、これは私は存じませんが韓国人以外に受け取り拒否者はいたのでしょうか?仮にいたとしてもおそらくは韓国ほど高い割合ではいなかったと思います。実質「他国では受け入れられたが韓国のみから拒否されたアジア女性基金」だったのではないでしょうか?


 韓国政府は当初、日本の法的責任を問わず、金銭的な補償も求めず、アジア女性基金にも一定の評価をしていた。日本国内で無用な不信感を募らせないためにも、韓国側の対応にも一貫性を期待したい。

「韓国側の対応にも一貫性を期待したい」というのは全くその通りだと思います。「河野談話さえ出してくれればそれで終わりにする」と言って騙して裏切って相手の善意を逆手に取って攻撃を強めたのは誰ですか?また、「安倍総理が慰安婦問題について前向きな姿勢を示さない限り会わない」などと自分の言い分を全く譲らずに話し合いさえ拒否しているのは誰ですか?今日もまた大統領が「首脳会談はすべきだが、日本側の姿勢の変化が重要だ」と言っていましたね。一体何度目でしょうか?任期終了までこれでしょうか?

 同時に日韓が協力し、女性が慰安所に至るまでの経緯や慰安所での実態など真相究明を急ぐことが大切だ。戦時中の資料の多くは破棄されたとされるが、まだ精査されていないものが官庁には多く残されているという。首相がリーダーシップをとって関係省庁に調査をさせるのも一案だ。

これは賛成です。やれば良いと思います。ここまで大きな問題になっているので、しっかりとさらに真相を究明するのは良い事でしょう。私が思うに文書だけではなく、戦後70年とは言え世界一の長寿国日本には元兵士や日本人元慰安婦などまだしっかりした90歳代のご老人がご健在で、当時についての証言も得る事は可能だと思います。

 元慰安婦の証言などを調べていく場合、被害者対加害者という絶対的な構図を認めながら、

「被害者対加害者という絶対的な構図」ってこれは研究者としてアウトだと思います。ちょっと前に「真相究明すべき」「元慰安婦の証言などを調べていく」と言いながらその究明もせぬまま「被害者対加害者という絶対的な構図」とは何を言っているのでしょうか?調査する前からなぜ結論が出ているのでしょうか?またどういう調査結果が出ても「被害者対加害者という絶対的な構図」は変わらないとでもお考えなのでしょうか?調査するにしても結果を先入観無しに精査する姿勢が必要ではないでしょうか?思考停止と言って良いと思います。

親に身売りされた▽朝鮮人の業者にだまされた▽「日本兵」に連れて行かれたといったケース、境遇についても、たくさんの給与をもらっていた▽戦地に送られ帰りたくても帰れなかったケースなど地域や年代などに応じた多様な実態と事実をたんたんと積み重ねていく必要がある。

この部分は他の部分に比べて比較的バランスが取れていると思います。

 同様の姿勢はメディアにも求められる。「主張」はその上でするべきだ。
 軍の組織や指揮系統の理解、「性」の問題ゆえの証言収集の難しさなど、解明には忍耐強さが求められる。同時に公娼(こうしょう)制や女性の権利など今の価値観とは異なる時代状況や当時の教育事情、筆舌に尽くしがたい経験をしたことなどを勘案しなければ、時に食い違いやあいまいさを見せる被害者の証言を理解することはできないだろう。

「今の価値観とは異なる時代状況や当時の教育事情」というのはその通りだと思います。日本が頑張って併合時識字率が4%しかなかった朝鮮がそれなりに発展したとは言え、30年で国が変わるのは限界がありました。当時教育水準の低い貧困家庭の若い女性が稼ごうと思えば選択肢は大変限られていました。これは何も朝鮮半島の事だけではなく、日本本土も同様でした。2人に1人が4年制大学に行ける現代とは違い、当時は女学校に行ければ良く、せいぜい女子師範学校の時代ですよ。女性には選挙権すらありませんでしたよ。日本人もです。もちろん当時も売春は世間的に誇れた職業では無かったでしょうが、当時は今と違って合法でした。

ここで少々当時の価値観についていくつかの例で考えてみましょう。

まずは国家の独立と植民地というものについて。現在国連加盟国は200弱ありますが、1945年当時ざっとその2/3の国は植民地であったりして独立していませんでした。例えば当時の植民地を明日からいきなり1945年当時に戻すとします。激怒する人大勢ですよね。

次に選挙権です。女性の選挙権の観点で見てみましょう。主要国で見ます。(ちなみに主要国と言えば、中国では現在でも女性だけではなく男性も参政権はありませんね) 


1917年 ソ連で女性参政権
1919年 ドイツで女性参政権
1920年 アメリカで女性参政権
1928年 イギリスで女性参政権
1945年 日本で女性参政権
1945年 フランスで女性参政権

例えば明日からいきなり女性の選挙権を無い状態に戻すとします。発狂する人多数ですよね。

もちろん「今の価値観」で見れば、植民地女性の参政権が無かった事など、悪い事でしょう。あなたの国を今植民地にしたら、また、女性参政権を無くしたら、現代に生きる多くの人にとっては許し難い事でしょう。しかし、当時はそういう時代でした。それを後になって遡って断罪しますか?

それから、今の価値観とは違う当時の価値観で見た場合にどういう判断が下されたのか、というのも重要なポイントです。70年前は人権の基準も全く違いました。これは大変重要ですが、日本の慰安婦制度については当時の価値基準で問題にするに値しないと米国が判断を下しています。1944年のビルマ捕虜になった朝鮮人慰安婦について詳細に調べた報告書もあります。調べたのは素人ではなく米軍のプロパガンダ専門部隊です。その報告書が「朝鮮人慰安婦20名を3週間以上調べたが問題なし」と結論を出しています。東京裁判も同様です。後出しじゃんけんで「平和に対する罪」「人道に対する罪」などで裁きながら慰安婦の「い」の字も出てきません。さらには20年後の韓国政府自身もそうです。現在これだけ騒いでいる韓国政府自身が、1965年の日韓基本条約締結まで、またその後も1990年代まで問題視していませんでした。散々議論を尽くした日韓基本条約の請求権交渉の中でも徴用者・徴兵者の請求権の話同様、慰安婦についても「韓国女子で戦時中に海軍が管轄していたシンガポール等南方に慰安婦として赴き、金や財産を残して帰国して来たものがある。」195319日の請求権委員会第次会議
張基栄韓国外交委員会委員)として、慰安婦として働き稼いだが、置いてきた財産があるので返してくれ、との要求のみでした。女性の人権問題?被害者?当時そんな事言っていませんでした。そう、当時の米国政府他連合国各国や韓国政府自体「(今言っているような形で)慰安婦については罪を問うに値しない」という結論、いわば無罪判決(または不起訴処分)を出していたのです。それを数十年経った後に騒いでいるのです。全部後付けです。一事不再理はご存知でしょうか?

 慰安婦問題は日韓基本条約で法的には「解決」済みだ。日本の償いはあくまで人道的、道義的なものであるべきだ。法的補償を求める韓国や日本の一部団体は「道義」という言葉を「責任逃れ」と拒否するかもしれないが、法も超越した倫理観としての道義と、それに基づくおわびの姿勢を冷静に見てほしい。

「法的には解決済み」の部分は全く同意です。ただ、法的に解決済みのものについて「法も超越した道義的なおわび」というのは今一つよく分かりません。アジア女性基金を含めてこれまでもおわびはしてきているし、何度お詫びをすれば良いのでしょうか?

 一連の作業を前提に、アメリカやソウルでの慰安婦記念碑や像に刻まれた「20万人」の被害者数などの誤った認識について修正を求めていけばよい。真相究明のためであることが伝われば、「言い訳」には映らないだろう。
 被害者は高齢化している。一刻も早い取り組みが求められている。(聞き手・清水大輔)

修正を求めるべきは「20万人」という数字だけではありません。あれらの像や碑文には「強制的に連れ去られ、性奴隷にされた」旨書いてありますよ?「誤った認識」というのは「20万人」だけではなく「慰安婦問題が存在する事」そのものだと思います。

最後に「被害者」という表現についてです。なぜ「元慰安婦=被害者」と決めつけるのでしょうか?その呼び方自体が誤解を拡大再生産し、事実を歪めていませんか?どういう意味でしょうか?基準は何でしょうか?この方は現代のアダルトビデオ出演女性自らの意志でセックスワーカーとして働いている女性たちも皆「被害者」と呼ぶのでしょうか?私には本質的には国家が関与していたかどうか程度の差異しか感じられませんが。

では日本人元慰安婦はどうでしょうか?現在海外で売春をして稼ぐ韓国人女性はどうでしょうか?現在裁判をしている在韓米軍元慰安婦(洋公主)はどうですか?

全員「被害者」ですか?


     ◇
 くまがい・なおこ ニューヨーク市立大大学院で政治学博士号取得。専門は国際関係論。著書に慰安婦問題の推移と全体像をまとめた「慰安婦問題」がある。

2015年1月11日日曜日

朝日の反撃シリーズ「慰安婦問題を考える」を考える2

次に12月29日の鄭在貞(チョン・ジェジョン)さんです。

http://www.asahi.com/articles/ASGDT5FGWGDTUSPT00C.html

まずこの方の人物評を少々。あの産経の黒田氏が2012年に記事にしています。黒田氏の見解が100%絶対ではない可能性も当然ありますが、参考になります。

「鄭理事長は知日派の歴史学者(日韓近代史専攻)。日韓歴史共同研究委員会の韓国側メンバーを務め日本にも知己が多い。日本の「新しい歴史教科書」に対する反対運動の中心になり、現在は「歴史財団」のトップとして「独島守護」「日本海名称反対」など“対日歴史戦争”を陣頭指揮している」だそうです。

色文字部分が私のコメントです。

(慰安婦問題を考える)「日韓両政府が心のケアを」

鄭在貞さん(ソウル市立大教授)

 慰安婦問題は今や、解決の糸口さえつかめないと言う。本当にそうか。
 私は、政治的に解決させようという強い意志が韓日双方にあれば、難しくないとみている。いや、問題点が浮き彫りになった今はむしろチャンスだ。
 この問題がこれほどこじれたのは、主要プレーヤーともいえる4者が、互いにうまくコミュニケーションをとれなかったことに尽きる。4者とは、韓日両政府と元慰安婦たち、彼女たちを支援する支援団体だ。
 元慰安婦たちが名乗り出て問題が顕在化した盧泰愚(ノテウ)、宮沢喜一両政権の間では話はかみあっていた。河野談話が出て韓国側は評価し、金銭的な償いの代わりに、誠意ある謝罪や日本での歴史教育といった「心のケア」を求めた。韓国政府の基本姿勢は今も変わっていない。

うーん、「日本での歴史教育を求める」ですか?韓国側の見方や価値観を日本の若者全てに持つことを要求ですか?それが全く異論の無い人類の普遍的な価値観に基づく唯一無二の事実ならまだ分かりますが・・・
 何より重要なのは、おばあさんたちの「恨(ハン)」を晴らすことだった。それは日本で言う恨(うら)みとは違う。心の奥底に澱(おり)のようにたまった絶望感のような感情だ。

おばあさんたちの『恨(ハン)』を晴らすことだった、それは日本で言う恨(うら)みとは違う。」って言われてもそんなもん知らんがな、としか言いようがありません。例えば仮に日本人元慰安婦、韓国人元慰安婦、中国人元慰安婦、フィリピン人元慰安婦などなどがいて、同様の対応をするならまだ分かりますが、「韓国人には特有の恨(ハン)があるのでそれを晴らす」ために特別の対応をしろと?韓国人のケアは文化的背景もあってより大変だと?なぜそんな特別対応を要求するのですか?逆に不公平でしょう。

 だが、現実は逆に進んだ。日本からは「あれは娼婦(しょうふ)だ。商売だ」などという心ない言葉が次々に飛び出し、元慰安婦らの恨はさらに深まっていった。

何度も同じ話になりますが、元慰安婦は「娼婦や商売」とどう違うのでしょうか?私は必要以上に元慰安婦を侮辱する必要性は全く無いと思いますが、韓国の主張が事実と乖離して嘘のレベルになるならば、「違うでしょ?事実はこうですよ」ときちんと指摘する必要があると思います。それと「慰安婦は娼婦や商売とは全く違う」との主張は今でも韓国によく見られますが、ではどう違うのかを説明してもらいたいものです。性奴隷ですか?強制連行?1日300人にレイプされる?殺害される?殺されて兵士に肉を食べられた?論理的な説明も無いままに単に「あれは娼婦だ、商売だ。などと言うのは事実と異なる、ひどい、許せない」と根拠なく言われても困ります。

 問題がこじれ出すと、韓国政府は及び腰になった。金銭的な補償は韓国政府が責任をもってやる、支援団体の思いや要求はそれとして政府としての具体的な立場や要求はこれだ、と態度を明確にし、自国民を説得する必要があった。

まあ韓国国内の政治の事情なんて日本以上に魑魅魍魎の世界に見えますから、正直私には分かりません。しかし、確かに暴走する国内世論を放置して、本来日韓基本条約を結んだ当事者として条約を遵守する立場から、また一定の言論の自由を保証しつつ自国民をきちんと統治する立場から韓国政府がむしろ問題を拡大させた責任は大きいでしょう。何より韓国政府として「河野談話を出してくれればそれで全て終わりにするから」日本側に約束しながらむしろその後反故にして談話を言質にして執拗に攻撃を続ける政府の責任は大きいでしょう。日本側の善意を仇で返した形です。ああいう国ですから韓国政府が強権的に問題を収束させようと思えば出来ていたはずだと思います。

 確かにアジア女性基金の取り組みは評価できるが、問題点も多かった。日本は交戦国や支配した国への補償は極力避ける方針を掲げる。韓日も1965年に基本条約のほか、請求権や漁業、文化財などの協定を結んだ。現在の韓日関係のすべての出発点という意味で「65年体制」と言われる。

「交戦国や支配した国への補償は極力避ける方針を掲げる」ってそれは主観ではないですか?補償を逃げてきましたか?各国ときちんと決着をしてきましたが?それと日韓基本条約にご不満があるのでしょうか?個人的に不満を持つのは結構ですが、国として嫌だというなら破棄して原状回復か結び直しますか?

 今ごろになって日本は慰安婦問題で「何もやってこなかったわけではない」と言うが、女性基金は日本としての「償い」を堂々と表したわけではなかった。
 実際には多くが国のお金から出ているのに「民間」を前面に押し出す。基金には日本の首相のおわびの手紙が添えられた。元慰安婦の心をやわらげるせっかくの手紙なのに強くアピールしない。すべては65年体制を守るためだ。だが、堂々と「法的にはできないが、国としてギリギリの努力をした」と言えば、韓国側の受け止め方はかなり違っただろう。

ここは前日の大沼氏とは異なる見解ですね。「実際には多くが国のお金から出ているのに「民間」を前面に押し出す。~すべては65年体制を守るためだ。」ってそれはそうでしょう。だってあなた方は日韓基本条約で受け取りの済みの賠償金を元慰安婦達に払わずにネコババし、おかわりを日本側に無心するという無茶をやって、無理な要求に本来応える筋に無い日本側が何とか苦心して対応したのですよ?「65年体制を守り」たくないのならではどうしたいのですか?法的に決着したものを蒸し返し出したら法治社会や国同士の約束が崩壊しますよ?自分の都合の良いところだけは法や条約無視というなら単なる駄々っ子と変わりませんよ?例えば「本当にこのおもちゃで良いんだね?違うものが欲しいと後から言っても駄目だよ」との約束で子供にプレゼントを買ってあげた。でもその後に欲しい新しいおもちゃが出てきた。「買ってくれないと嫌だ、約束なんて関係なくてどうしても買ってくれないと嫌だー」と駄々をこねて泣き叫ぶ。店の床に転がる。その状況で仕方がないと言ってあなたはそのおもちゃを買いますか?

 65年体制も、実際には少しずつ変化してきている。基本条約には植民地支配に対する反省や謝罪は盛られなかったが、日本はその後、村山富市首相の談話や小渕恵三首相と金大中(キムデジュン)大統領による「パートナーシップ宣言」、併合100年を機に出した菅直人首相談話などでその姿勢を明確にしている。パートナーシップ宣言での反省と謝罪に関する文言は、日朝平壌宣言にも引き継がれた。

まあ韓国人や韓国という国家の基本として「植民地支配への恨み」を永遠に言い続けるというのがありますね。それも多くのプラス面は全く無視してマイナス面のみを強調して。格下と思っている相手に支配されたという屈辱はそれこそ1000年続くのかも知れませんね。でも何度も何度も謝罪をしてお詫びをして金銭的な補償もし、通貨危機なども何度も何度も助け続けても永遠に謝罪と反省と援助を求め続けるあなた方にこそ、日本人に韓国を嫌にさせ、友好を阻害する原因があるのではないでしょうか?今の日本国民の多くは終戦時に生まれてもいないのですが?それでも反省や謝罪を永遠に求めるのでしょう。

 漁業協定は改定され、請求権問題でもサハリン残留韓国人や在韓被爆者への補償は一定の前進をみた。残る大きな懸案は慰安婦問題だけといってもいい。

何を言っているのでしょうか?サハリン残留韓国人もあまり知られていないインチキ、それとさらりと大変重要な領土問題である竹島をスルーしていますね。この人が「残るは慰安婦問題だけ」と言ってそれが仮に何らかの形で解決したとしても韓国人は次の食い扶持・日本へのゆすりたかりのネタを探すでしょう。


 国交正常化は韓国、日本ともに政治指導者の大きな決断があって実現した。65年体制が変化してきたことを、「協定がなし崩しになる」とか「国交締結は誤りだった」などと恐れる必要はまったくないと私は思っている。むしろ、当時足りなかった部分を次世代がしっかり補う知恵を出したのだ、と胸を張るべきだ。

再度言いますが、これは日韓基本条約の破棄なのか、修正なのか、それとも条約はそのままにして条約に無い事を条約で決めたことも無視してやれという事ですか?日本の明治政府が、欧米に結ばされた不平等条約に粘り強く対応したようにやれば良いではないですか?一般社会を例にしても良いですが、「契約書はあるけどそれは無視して別の要求をする、家の賃貸契約書に書いていなくてもそんなものは関係ない、色々な名目で追加で金銭その他を要求する」、こんな事が許されるとでもお考えなのでしょうか?とても知識人の言葉とは思えません。

 その意味でこれまでの韓日関係に大きな役割を果たした政治指導者を父や祖父にもつ朴槿恵(パククネ)大統領と安倍晋三首相はともに政治的に決断しなければならない。
 慰安婦問題で最も重視されるべきは被害者である元慰安婦の思いだ。そして彼女らが求めるのは心のケアである。
 朴大統領は元慰安婦に会って、この間の政府の取り組みが十分ではなかったことを説明すべきだ。

韓国政府にも相応の責任と役割があるというのは同意します。しかも朴クネ大統領のお父様は話は若干違っても同種の問題=在韓米軍慰安婦の責任者だったという因縁もありますしね。現在訴訟が起こされている在韓米軍の122名の元慰安婦達にも誠実に対応してはいかがですか?

 一方、安倍さんは日本で「筆舌に尽くしがたい思いをされた慰安婦の方々のことを思うと本当に胸が痛む」と語る。これをおばあさんたちに直接話しかけてみてほしい。そうすれば、彼女たちの恨は必ず晴れる。(聞き手・箱田哲也)

必ず晴れる?晴れないでしょうねえ。晴れれば良いですが、そう言って過去にも河野談話の際にもあなた方日本人を騙したではないですか。

最後にこの方に是非お聞きしたいのは現在係争中の在韓米軍の元慰安婦122名が韓国政府を提訴している件についてどう思うかですね。この方は自分の国が自国女性を慰安婦として何十年も米軍に提供していた事に胸は痛まないのでしょうか?

是非とも彼女たちの「恨」も晴らしてあげてはいかがでしょうか?


     ◇
 チョン・ジェジョン ソウル市立大教授。歴史学者。日韓歴史共同研究の委員や韓国政府傘下機関の東北アジア歴史財団理事長を歴任。著書に「帝国日本の植民地支配と韓国鉄道」など。

2015年1月10日土曜日

朝日の反撃シリーズ「慰安婦問題を考える」を考える1

昨日から植村氏の訴訟のニュースで騒がしかったですが、今回より先日の記事「朝日の反撃開始?」の内容に入っていきたいと思います。

まず12月28日の大沼保昭さんです。

http://www.asahi.com/articles/ASGDW5H8MGDWUTIL00Y.html

この方は学者さんで例の「アジア女性基金」の中心人物の一人(理事)ですね。大学在学中に国家Ⅰ種さらに司法試験に合格しつつも、そのまま学問の道に進まれているので凄いですよね。この方は1993年の河野談話を受けて「では実際に日本が(韓国人を中心とする)元慰安婦にどのように謝罪と賠償をしていくのか」という中で村山政権下の1995年に設立されたアジア女性基金の仕事もするぐらいリベラル派と見られている方であり、アジア女性基金に中心人物の一人として関わった方ですが、その後の韓国のヒステリックな対応に「(元慰安婦のおばあさん達のためではなく)極度に政治化している」「失望し、ひいては絶望している」という感想も述べておられます。

色文字部分が私のコメントです。

(慰安婦問題を考える)「アジア女性基金の検証を」大沼保昭さん

 慰安婦問題を多角的に考えていくため、国内外の識者に様々な視点で語っていただく企画を始めます。

大沼保昭さん(明治大特任教授)

 朝日新聞の「慰安婦」報道について第三者委員会の報告が出され、社長が記者会見を行い、再生を誓った。朝日新聞のあり方は日本のメディアのあるべき姿として重要な問題だが、ここではこの間「朝日問題」との絡みもあってしばしば誤解・曲解されてきた「慰安婦」問題に絞って、その原点を確認しておきたい。
 「慰安婦」とは、第2次大戦中、日本軍将兵に継続的に性的な奉仕を強いられた女性たちのことだった。こうした慰安婦制度の犠牲者は、日本、中国、韓国、フィリピン、オランダなど広範に存在する。このうち、フィリピンやオランダでは被害者への日本の償いはそれなりの評価を受けたが、韓国は日本の取り組みを厳しく批判し、日本ではそうした韓国への反発が強まったため、日韓の深刻な政治問題と化してしまった。「慰安婦問題=日韓問題」と捉えられがちなのはそうした事情による。

「慰安婦とは継続的に性的な奉仕を強いられた女性たち、制度の犠牲者」という事ですが、本当に「強いられた」のでしょうか?何をもって「強いる」のでしょうか?いわゆるレイプ・強姦的な行為という意味でしょうか?いわゆる売春婦が商売としてサービスを提供するのとどう違うのでしょうか?日本軍の慰安婦には接客を断る権利もありましたが?また、職場に着いてすぐにという訳には行かなかったでしょうが、商売をやめて帰国する例も多数あったようですよ?確かに必ずしも皆が良い境遇にあったわけでもなく、つらい人達もいたでしょう。ただそういう人達が実際にどれぐらいいたのか?「慰安婦全てが悲惨であった且つ強いられた」などと一部と全体を混同していませんか?

次に「フィリピンやオランダでは被害者への日本の償いはそれなりの評価を受けたが、韓国は日本の取り組みを厳しく批判し」と書いておられるように、韓国が騒いだのは韓国の特殊性、もちろん日韓併合の歴史や特殊な感情・民族性など別の背景もあるでしょうが、主に韓国のみが政治利用しようとして挺対協や韓国国民などが大騒ぎをしたという事でしょう。アジア女性基金は他の国では一定の成果があったのに、韓国のみが騒いでいると大沼氏も認めています。


それと「『慰安婦問題=日韓問題』と捉えられがちなのはそうした事情による」という視点は良いですが、それをそのまま受け取って、また放置して良いのでしょうか?修正されるべき認識かも知れませんよ?「慰安婦問題=日韓問題」というのは騒いでいる人が韓国人という意味ではその通りですが、女性の人権問題云々を言い出すと正しい捉え方では無いと思います。


もう一つ、「慰安婦制度の犠牲者は、日本、中国、韓国」とご自身で書いておられますが、なぜ最も多かったと言われる日本人慰安婦について皆沈黙するのでしょうか?アジア女性基金自体が制度として日本人慰安婦を救済対象から外していたのですが、ものすごい差別ではないでしょうか?この点一つを取っても、論理破綻と言えるのではないでしょうか?


 日本は朝鮮を1910年に併合し、45年に植民地支配から離れた韓国と65年に国交正常化した。その際、日韓両国は植民地時代の請求権を相互に放棄し、これにより植民地支配に伴う問題は解決されたと考えられてきた。
 しかし、90年代のフェミニズムの高揚のなかで慰安婦問題がクローズアップされ、日本は法的には解決されたはずの問題にどう対処するかという困難な課題を突きつけられた。

直接の関係はあまり明らかになっていないようですが、「フェミニズム」と慰安婦問題の相関関係については聞くことがありますね。過去から現在に至るまでに陰に日向に過激なフェミニズム団体(「ジェンダーフリー」なども含むでしょう)が運動テーマの一環として慰安婦問題で連携して騒いできた可能性もあります。有名なフェミニズム団体は調べれば大抵(韓国人)慰安婦問題もやっているのかも知れません。

 95年、慰安婦問題に関する国内の議論が対立して具体的施策が困難をきわめる中、村山内閣と各界のオピニオンリーダーが協力して「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)を設立した。日本政府と基金はその後、歴代政権の下で、総理のおわびの手紙、国民の拠金からの償い金200万円、国費から医療福祉支援金120万~300万円を364人の元慰安婦の方々に手渡し、さらに現代の女性の人権問題にも取り組んできた。国際社会でも評価されている村山談話の精神に基づいて日本政府と国民の心からのおわびと償いの気持ちを表したもので、自民、社会、さきがけの連立政権だからこそ実現できた、日本の政府と国民が責任を果たすぎりぎりの施策だった。
 しかし、韓国の支援団体とメディアは、罪を認めない日本から「慰労金」を受け取れば被害者は公娼(こうしょう)になるとまで主張してこの償いを一顧だにせず、逆に日本批判を強めた。これは日本国民の深い失望を招き、日本の「嫌韓」「右傾化」を招く大きな要因となった。

韓国はあくまで日本の国家予算による国家賠償を求めた、それは既に日韓基本条約で解決済みの事であり、賠償金の二重払いになるので無理、また慰安婦以外に男性一般徴用者への賠償狙いもあってか韓国側は国家賠償に拘った、そして慰労金を受け取ろうとする元慰安婦おばあさん達に受け取りを拒否するよう圧力をかけて、受け取った者は韓国政府からもらえる年金?慰労金?が受け取れなくなる仕組みすらあったようですね。これを見ても分かるように韓国のやっている事は慰安婦のおばあさん達のためではないんです。はっきり言います。彼女達の人権や尊厳の問題としてやっているのではなく、政治的意図を持って自分たちの利益や満足、日本を叩きたい、利用したい、そういう低レベルの話でしょう。

 また日韓のメディアは償い金を「見舞金」、「慰労金」と報じ、欧米のメディアは「慰安婦」を「性奴隷」と表記するなど、不正確で偏った報道をくりかえした。日本政府はこうした報道に十分に反論せず、基金による償い活動の広報を怠った。これに加えて第1次安倍政権下での政治家の不適切な発言、日本の一部の排外主義的な反発や口汚い嫌韓言説が諸国で報じられたため、「性奴隷制度を反省しない日本」というイメージが国際社会に広がってしまった。

何か急に時間の流れが早くなっていませんか?「口汚い嫌韓言説」ってここ2~3年の話の事でしょうか?紙幅の関係もあるでしょうがここ20年の事をこの段落でいきなり総括ですか?

 この問題をめぐるこれまでの議論で最も欠けているのは、アジア女性基金による償いを具体的に検証する作業である。メディアに登場するのは学者、評論家、支援団体関係者、ジャーナリストばかりで、被害者の方々に総理のおわびの手紙を手渡し、今日まで被害者のケアに努めてきた基金関係者・事務局員の活動はほとんど報じられていない。100人の学者・評論家のもっともらしいコメントより、一人の現場に関わった者の述懐が本質をつくこともある。メディアはそれを忘れていないか。

ちょっと笑いましたが、「メディアに登場するのは学者~」のところはこの記事自体がまさにそうですね。ここで述べている意図は頑張った自分達のアジア女性基金の事をもっと別の観点で評価して欲しいのか?政府としてはアジア女性基金事業は必ずしも大成功とは言い難く、良い材料として宣伝しようにもあまり積極的に宣伝したくなかったという事情もあったのではなかったかとも考えました。

 ここまでこじれてしまった問題を一朝一夕に解決することはできない。
 メディアは過去の一面的で扇動的な報道を深く反省し、基金と政府が行った償いの活動を詳細に紹介してほしい。日本政府は国際広報に力を注ぐと共に、とくに慰安婦問題への姿勢に疑いの目を向けられている安倍晋三首相は、そうした疑念を払拭(ふっしょく)させる思い切った行動をとってほしい。
 一般市民の方々は、「強制連行された被害者か公娼か」といった空しい対立の図式に陥ることなく、何よりも大切なのは、慰安婦制度の犠牲者の尊厳を回復し、苛酷(かこく)な人生を生きてきた彼女らの残された人生の苦しみを少しでも和らげ、人間らしい生活を送るのを助けることなのだ、という原点をもう一度確認していただきたい。

「慰安婦制度の犠牲者の尊厳を回復し、苛酷(かこく)な人生を生きてきた彼女ら」というところについて、再度の疑問です。そもそも元慰安婦=ほぼ韓国人且つ「犠牲者」なのでしょうか?「過酷」という部分は否定しません。売春業に従事する女性が一般的価値観から言って当時も今も世間一般で「過酷」という側面はあるでしょう。しかし、なぜそれが「犠牲者」になるのか?では現代社会でセックス産業に従事する女性は「犠牲者」として現存する社会福祉制度の枠外の特別の保護が必要なのか?昔軍の慰安所ではなく一般の(民間の?)売春婦として生計を立てていた女性が高齢化して困窮している場合、それとどう違うのか?軍の慰安所で働いていた人だけを特別扱いせよ、というのか?それと、「過酷な人生を生きた元慰安婦」というのならば、当時朝鮮人より多いとされた日本人元慰安婦のおばあさん達はどうなるのか?アジア女性基金では無視しましたね?制度の対象内であったが、一人も名乗り出ずに仕方なく救済しようがなかったわけはありませんでしたね?売春の過去がある女性は全員他の生活困窮者とは別の特別の救済をしろと言っているのか?さらにこういう話がありました。当時の村山首相が誇らしげにアジア女性基金の立ち上げについてメディアに語った際に「日本人元慰安婦についてはどう思うか?」と聞かれて、回答に窮してか?絶句してしまったんですよ・・・

 日韓両政府は、本問題について交渉を重ねながら具体的解決策に踏み込めないでいる。その一因は、両国にあまりに一面的で強硬な世論が蔓延(まんえん)していることにある。日韓が勇気をもって問題の解決に踏み出すには、両国民による右の原点の理解が不可欠なのである。(寄稿)

「両国に一面的で強硬な世論が蔓延(まんえん)している」というところについては確かにそういうところはあるでしょう。だって向こうの大統領以下そうではないですか。口を開けば「慰安婦慰安婦」、関係の無い第三国の首脳相手にも「日本による慰安婦被害者が~」さらには2年も日韓の直接の首脳会談が一度もできない異常事態が続く中でも「日本が慰安婦問題で誠意を示さない限り会わない」なんて言っていますから。そういう「前提条件無しでとりあえず話し合おう」というならまだ分かりますが、対話を拒否しているのはどちらでしょうか?さらにはソウル日本大使館前米国の慰安婦像です。一応設置主体は民間になっていますが、韓国政府がこういうものを放置・追認しているわけです。日本人への事実に基づかない名誉棄損であるのみならず、特にソウルのものは明らかなウイーン条約違反ですよ?さらに条約抜きにして相手国の在外公館に対してあんな事をするのは、友好関係を築きたい相手にする行為ではありません。喧嘩を売っているとしか取れません。一部の人間の行為という言い訳もあるかも知れませんが、それを許している時点で実質的に韓国政府が共犯という事ではないですか。日本では国民世論がどうあれあんな蛮行はさせませんよ?これで冷静に建設的に話し合おうと言ったって難しいと思います。

     ◇
 おおぬま・やすあき 明治大特任教授、東京大名誉教授。専門は国際法。アジア女性基金の呼びかけ人・理事を務めた。著書に「『慰安婦』問題とは何だったのか」「東京裁判・戦争責任・戦後責任」、共著に「慰安婦問題という問い」「戦後責任」など。
     ◇
 〈アジア女性基金〉 正式には「女性のためのアジア平和国民基金」。元慰安婦に対する「おわびと反省」を表明した河野洋平官房長官の談話を受け、自社さ政権下の1995年7月に発足した。首相によるおわびの手紙と国民の寄付から償い金200万円、国費から医療福祉支援事業として120万~300万円を元慰安婦に支給。一定の役割を果たしたとして、07年3月に解散した。
 韓国では韓国政府認定の元慰安婦207人中(02年時点)、61人を対象に実施。台湾では13人、フィリピンは211人が対象。オランダでは医療福祉事業として79人が受け取った。インドネシアは元慰安婦の認定が困難だとして、高齢者施設を整備した。