2015年3月9日月曜日

【書評】 朝日新聞 日本型組織の崩壊

朝日新聞 日本型組織の崩壊

という本があります。

朝日新聞を激しく批判してきた文春の文春新書から出ているのがまた面白いのですが、著者が何と朝日新聞の現役社員達(+OB)なのだそうです。本当に現役社員なのかどうかは分かりませんが、その内容を読む限り本当の社員で無いと知り得ない内容が多く、内部者というのは事実であると思います。以下に私の主な感想をご紹介します。

・肝心の慰安婦問題については踏み込みが甘く、扱いも少なく、正直期待外れでした。
・ただ、慰安婦問題で最も悪質な記事の一つ、1992年1月11日「軍関与」の記事の執筆者を確認できたのは収穫です。辰濃哲郎元記者です。
・一方で原発吉田調書問題については個人名や経歴まで出して詳細に描かれており、そちらの問題に興味のある方には面白いでしょう。一言で言えばスクープ部隊の特報部の暴走です。
朝日新聞が腐りきった組織であるというのは様々な観点から詳しく書かれており、よーく分かりました。
・一般に言われる「朝日新聞が反日体質だからこれらの記事を書くのだ」という点については一貫して否定し、それらの記事は全て「朝日の行き過ぎた官僚体質が原因」という論調です。しかし、昨年末の「謝罪」以後も全然変わらないその慰安婦その他の論調を見ても、そうは思えません。
・いかに腐った組織かはよく分かりましたが、腐っていようといまいと、その反日的な論調は戦後一貫して今に至るまで朝日を覆い尽くしているものと思っています。

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