大変重要な動きがあったと思います。本日例の外国特派員協会(FCCJ)にて秦郁彦氏(慰安婦研究の第一人者)、大沼保昭氏(ミスターアジア女性基金)の会見が行われました。
今回の動きは、はっきり言って私も批判してきたアメリカマグローヒル社のデタラメ教科書への反論の開始です。外務省による訂正申し入れに対しては内容ではなく「日本政府が学問に対して口出しをするのはけしからん」という論法で逃げましたが、今度は日本の学者が「学問としておかしい」と疑問を投げかけたわけです。
日本の19人の歴史学者(精鋭揃いです)がマグローヒル社に学者として出したアカデミックな観点からの反論です。同時にこれは日本による大きな反撃の動きです。19人という数字も偶然ではありません。今回の会見は当初「McGraw-Hill社への訂正勧告」発表だけをやろうとしたら、FCCJから注文が入り、「違う立場の人も出して欲しい」との事で大沼氏と一緒にという事となったようです。
これまでの経緯をおさらいしましょう。
1 アメリカのマグローヒル社の高校教科書で慰安婦などについてめちゃくちゃな記述(慰安婦を虐殺したという記述もあります)がなされている事が判明する。(しかも15年も放置されている事が判明=著者談)
2 昨年末頃より外務省がニューヨークにて教科書会社(マグローヒル社)、ハワイにて著者(ハーバート・ジーグラー准教授)に間違いを指摘、訂正を求める。
3 教科書会社も著者も「記載は事実」と主張して訂正を拒否。
4 1月29日に安倍総理が国会でその内容に「がくぜんとした」などと発言するなど問題が拡大。
5 アレクシス・ダデン氏を中心とするアメリカの19人の「歴史学者」達が「日本政府による検閲だ」と批判声明発表。日本政府や外務省を批判。また、著者のジーグラー氏本人も「私の言論と学問の自由の侵害だ」と被害者的な訴え。
6 そして今回アメリカの19人の「歴史学者」による批判声明に対する日本の英知が集まってのマグローヒル社教科書の問題点の指摘です。
アメリカの学者で「慰安婦は性奴隷、日本は反省しろ」という勢力が表に出て来て名前を出して「マグローヒル教科書への批判を許さない」と宣言したため、それに対して事実に基づいて反論をした形ですので、相手が逃げない限りこれは論争の予感です。 これはチャンスであると思います。この内容については引き続き注視しつつご紹介していきたいと思います。
http://blogos.com/article/108036/」
17日、秦郁彦・日本大学名誉教授と大沼保昭・明治大学特任教授(元アジア女性基金理事)が会見を行い、同日付けで公表した「McGraw-Hill社への訂正勧告」について説明した。
この勧告は、秦郁彦氏のほか、藤岡信勝、長谷川三千子、芳賀徹、平川祐弘、百地章、中西輝政、西岡力、呉善花、高橋史朗氏ら19人の日本人歴史家有志によって提出されたもので、米国の公立高校で使われている世界史の教科書において、慰安婦の強制連行など。事実とは異なる記述があるとして訂正を求めている。
会見場には櫻井よしこ氏や長谷川三千子氏も姿を見せ、秦氏は改めて「日本の官憲による組織的な強制連行はなかった」とし、大沼氏は慰安婦問題の解決のため
にメディアが果たすべき役割は大きいと指摘した。
以下は秦郁彦氏のコメントです。同氏のこれまでの主張のポイントがよくまとまっていると思います。
最近、日本大使館と韓国の外交部が慰安婦問題について交渉をしていた1992年から93年にかけての外務省の外交記録を読む機会がありまして、その中にこういうことが書いてありました。
韓国の担当官が、こんな明るい時間に外交官同士が慰安婦問題を議論するのは恥ずかしい、"Shame"だと述べている。日本の外交官も、"同感です"という会話を交わしたと書いてありました。
アムステルダムの"飾り窓の女"というのは有名ですよね。我が東京においてもソープランドがあるのはご存知だと思いますが、こういう話題をオランダ政府が、あるいはヘッドラインで報道するとか、こういうことはないわけですね。いわば一種の常識であります。しかしながら、なぜ日本軍の慰安婦問題だけが大問題になってしまったのか、誠に不思議であります。
1944年にビルマでアメリカ軍が20人の朝鮮人慰安婦を捕虜にいたしまして、詳しい尋問記録を残しております。その中で彼女たちは日本軍に所属している売春婦だ「"nothing more than prostitute or "professional camp follower"」と結論しております。
売春婦は何時の時代にも、どこの場所にも存在してきたのであります。従って、慰安婦と呼ばれる人たちが特別なものだとは私は考えません。
慰安婦は日本軍のほかに第二次大戦中、ドイツ、アメリカ、イギリス、その他の国々にもありました。第二次大戦後にも、朝鮮人慰安婦が韓国軍アメリカ軍の元で働いておりました。
それにもかかわらず、日本軍の慰安婦だけがクローズアップされたのは一部のNGO活動家によるプロパガンダのせいであります。彼らは自国の売春婦や日本人慰安婦に対しては関心を示しません。
プロパガンダですので、虚と実が混じり合い、誇張された情報が乱れ飛んでおります。そのひとつが最近報道されたマグロウヒル社の高校生向け世界史教科書であります。26行という短い文章でこれほど事実の間違いが多い記述を私は見たことがありません。ここにその教科書がありますけど持つだけで重い本です。
私たち19人の日本人歴史家がこれを検分いたまして、重要な8箇所のミスを今日みなさまにお伝えしたいと思います。
たとえば、強制連行はなかったと私たちは強調しているんですが、慰安婦というのは、大多数は朝鮮人の親が娘を朝鮮人のブローカーに売り、それが売春宿のオーナーを経由して売春所に行くと、こういう経路であります。 一部に新聞広告を見て応じた者もありまして、これはつまり強制連行する必要がないということが明白かと思います。
また20万人の慰安婦が毎日20人から30人の兵士たちに性サービスをしたと書いてあるんですが、当時海外に展開した日本軍の兵力は約100万人です。教科書に従えば、接客は1日5回という統計になりますから、20万人が5回サービスすると100万になりますので、兵士たちは戦闘する暇がない。毎日慰安所に通わなければ計算が合わなくなるわけですね(会場から笑い)。そういう誇大な数字が教科書に出されているということです。
次に、「慰安婦は天皇からの贈り物である」という件がある。これは国家元首に対する、あまりにも非常識な表現だろうと思います。
日本の外務省はこれに対して抗議をしましたけれども、これが別の反応を生み出したのであります。
アメリカの歴史学会の19人は、日本政府の検閲は学問の自由を脅かす、外務省のマグロウヒル社への抗議は学問の自由を奪うものだとして、吉見義明さんら日本の歴史家と連帯し、マグロウヒル社を守ろうという声明を3月2日に発表しました。
私たち19人の日本人歴史家、この中には吉見義明さんは入っていませんが、とりあえずマグロウヒル社に誤りを指摘し、訂正の申し入れをしたいと思います。
私なんかも、個人で書いたものに対して読者から間違っていると言ってくることはある。これは非常に有り難いことで、お礼状を書き、次のエディションでは改めます、と返事をするのを習慣にしておりますので、マグロウヒル社も我々に感謝をしてくれるのではないかと期待しております(会場から笑い)。
最後に、私は日本の官憲による組織的な強制連行はなかったということ、慰安所における女性の生活条件は「性奴隷」と呼ぶほど過酷な状況ではなかったことを強調して終わりたいと思います。
(大沼氏の部分は略)
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