2015年8月19日水曜日

朝日新聞が慰安婦問題を含め自社の半年間の「改革・改善」を自画自賛、その中身は笑止千万

http://www.asahi.com/articles/DA3S11892360.html

あれから一年が過ぎました。朝日新聞は昨年8月5日・6日の検証記事で謝罪の言葉こそなかったものの、吉田清治証言を中心に32年間放置した慰安婦誤報を認めました。

朝日はその後、原発吉田所長証言の誤報問題(「吉田調書」)、(またこれは大した話では無かったのですが)池上彰氏のコラム不掲載問題(私はこれはスケープゴートと見ました)などが重なり大炎上となり、9月11日に朝日の木村伊量社長(当時)が謝罪会見(しかしこの会見は「原発誤報問題」がメインで慰安婦はついでという酷い設定でした)に追い込まれました。そして一連の問題を検証・改善するために三つもの外部有識者委員会が作られました。

今回の記事はそれら三つの委員会の提言の基づき、朝日新聞が改善・改革を着々と進めている、という内容となっています。

が、慰安婦問題について見ている限りではこの半年の朝日新聞の報道が改善されているなど笑止千万としか言いようがありません。

「公正な姿勢で事実に向き合います」
「多様な言論を尊重します」
「課題の解決策を共に探ります」

ということですが、笑わせるな、という話です。朝日新聞の渡辺社長は年末の記者会見で「自分達と主張が異なる人達との交流や意見交換、今後はもっと紙面の中で斬り結ぶ言論を実現していく」という事を言っていました。そこまで言うのなら普通は「朝日新聞の従来の立場・主張とは異なる、保守派の意見や産経新聞に出ているような意見も掲載していくのだろうか」と思ったものです。別に期待はしていませんが、普通の日本語的に理解すれば社長の「斬り結ぶ言論」という言葉はそのように理解しました。

社長会見動画 35分~ 他

https://www.youtube.com/watch?v=cl7u9NghD0c

しかし、実際はどうでしょうか?慰安婦問題についての立場は以前と変わらず、反対側の意見を大きく紹介するという事は全くありません。確かに朝日にとって反対派(保守派)の動きなどの紹介を申し訳程度に掲載することはしていますが、いずれもベタ記事扱いです。社長が言っていた「斬り結ぶ言論」には全くなっていません!

実際のところは朝日新聞に都合の良い意見のみを大きく扱うだけです。最近は朝日新聞自身が記事を書くと批判が来るという事なのか、有識者と称する外部の人間に自分達に都合の良い意見を言わせる手法を多用しています。そしてそれら伝えたい記事については日本語記事を即座に英訳して活発に発信しています。

「慰安婦報道では、多様な実態を多角的に伝えるため、識者の座談会や歴史学者の研究成果の紹介記事などを掲載してきました。」

という事ですが、これらの事だと思われます。

参加者ほとんどが左派の慰安婦問題対談

京都大永井教授による大発見

これらも酷いもので、朝日新聞の外部の人間ですが、中身は朝日をさらに左傾化させたような人達です。多様な意見でも何でもなく、朝日新聞の従来の主張を先鋭化させただけです。

表面的にパブリックエディター制度なるものを導入しても、見ている限り慰安婦報道、また、安保や70年談話も朝日新聞の体質や記事の中身は何も改善されていません。

こんな状況での自画自賛、失笑を禁じえません。


(以下朝日新聞特集紙面より)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11892360.html

 朝日新聞社は、1月5日に発表した「信頼回復と再生のための行動計画(再生計画)」に沿って、紙面改革や問題の再発防止に取り組んでいます。7月14日には慰安婦をめぐる報道を昨年検証した「第三者委員会」の元委員の皆さんに、15日には原発事故報道での記事取り消しなどもふまえて再発防止策を検討した「信頼回復と再生のための委員会」の元社外委員の皆さんに、社長の渡辺雅隆らが進み具合を報告し、改めて意見をうかがいました。

 ■フォーラム面に多様な声

 「ともに考え、ともにつくるメディアへ」を掲げた再生計画の柱の一つは、4月に日本の新聞社で初めて導入したパブリックエディター(PE)制度です。報道に社外の声をより反映させる仕組みで、PEはメディアに精通した社外有識者3人を含む4人で構成。記事に対して社外から寄せられる意見や指摘を共有し、毎週1回の定例会議などで議論し改善を求める役割です。

 学者、弁護士ら社外有識者3人でつくる「編集権に関する審議会」も4月に新設しました。池上彰さんのコラムの掲載を見送った問題などの反省から、経営陣は個々の記事や論説の内容に極力関与しない方針を確認。関与する必要がある場合には取締役会で正式に議論して手続きを透明化すると同時に、事前にこの審議会に意見をきくルールを定めました。その後、個別記事に経営が関与した例はありません。

 4月の紙面改革では、意見の分かれるテーマについて読者の声を集め、解決策を探る「フォーラム面」や、社会面に訂正を1カ所に集めた欄を設けました。役員・社員がお客さまから直接意見をうかがう「車座集会」は2月から全国各地で開いています。調査報道は、全国の取材網が連携した、政務活動費の不明朗な支出の報道など一段と力を入れています。慰安婦報道では、多様な実態を多角的に伝えるため、識者の座談会や歴史学者の研究成果の紹介記事などを掲載してきました。

 第三者委員会は昨年末の報告書の中で、数カ月後の検証機会を設けるよう求めていました。7月14日の報告会には、元委員7人のうち、委員長を務めた元名古屋高裁長官で弁護士の中込秀樹氏、外交評論家の岡本行夫氏、国際大学学長の北岡伸一氏、東大大学院情報学環教授の林香里氏の4人に参加いただきました。

 北岡氏は最近の慰安婦問題や安全保障法制などの報道に関連して、「もう少しグローバルな視点がほしい」と注文しました。岡本氏からは「現実感覚のある記者をもっと育ててほしい」などと指摘がありました。

 林氏は「(編集権に関する)審議会の設置は良い。ただ、デジタル時代には、報道と経営・営業の融合が進みやすく、広い視点で議論する必要がある」と問題提起しました。中込氏は「制度の方向はいい。運用する人間の心構えが大事だ」といい、慰安婦報道に対しては「さらに冷静に客観的な事実の把握に努めてほしい」と求めました。

 ■PEの意見、社内で共有を

 7月15日には「信頼回復と再生のための委員会」の社外委員だったジャーナリストの江川紹子氏、弁護士の国広正氏、日産自動車副会長の志賀俊之氏、社会学者の古市憲寿氏の4人から意見をうかがいました。最も議論があったのはPE制度でした。

 江川氏、国広氏、古市氏は事前にPEの定例会議を傍聴し、PEとも意見交換。国広氏は、PE制度について「社内だけでは出ない観点の議論があり、極めてよい機能を果たしている」と指摘する一方、PEの意見や議論が社内の編集部門全体で十分共有されていない点に触れ、「社員の意識を変えるためにも、社内や社外に議論内容の共有を進めるべきだ」と語りました。

 江川氏は、PEの指摘を受けて朝日新聞デジタルにおわび記事が掲載された例について「おわびという結果だけではなく、指摘を受けて社内でどういう議論をし、どう考えたのかも詳しく書いてはどうか」と提案。古市氏も「プロセスがまだ十分に透明化されていない」と指摘しました。志賀氏は「複雑化する世の中は多元的にみる必要がある。記者がPEと論争してもいい。活動の成熟度を上げれば、ブランド力の源泉にできる」と語りました。

 これに対し、社内のPEである中村史郎は「PEの議論のプロセスを社内外により広く示していくことは重要であり、PEと記者が直接意見交換することなどを含め、情報共有を段階的に広げていきたい」と答えました。

0 件のコメント:

コメントを投稿