2015年12月28日月曜日

最終解決?日本が10億円出して安倍首相がおわびと反省、蒸し返し禁止で慰安婦問題が日韓で合意、慰安婦問題は固定化へ

慰安婦問題で大きな動きがありました。
 
http://www.asahi.com/articles/ASHDX51J5HDXUHBI00X.html

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20151228-OYT1T50091.html

http://www.sankei.com/main/topics/main-26826-t.html

完全解決とは言えませんが、今後の方向が決まったような、河野談話とアジア女性基金が同時に出たような印象を受けます。

また、軍艦島の世界遺産に連なる既視感を覚えます。

0点とは思えませんが、朴大統領の満面の笑みを見れば雄弁に状況を物語っています。関連報道が続々と出ている状況ですが、主なポイントは、

・安倍首相が「心からのおわびと反省の気持ち」を表明
・日本は10億円を政府予算から韓国で設立される新財団に拠出(賠償金扱いではない、また韓国側も出資)
・「軍の関与の下に多数の女性の名誉と尊厳を傷つけ、日本政府は責任を痛感している」と認める
・今後国際社会で非難、批判することを互いに控える
・最終的かつ不可逆的な解決として扱う
・慰安婦像の撤去については韓国政府として努力
・安倍首相は「私たちの子や孫、その先の世代の子供たちに謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかない」と述べる

というところでしょうか。また、

・予想通り挺対協は反発、元慰安婦本人は賛否両論
・日本国内では政治は賛成が多く、保守派は反発が多い

という動きが見られます。

今後は以下が焦点かと思われます。

・韓国は約束を守るか
・中国や台湾など他国はどうなるのか(私はドミノになると思いますし、公平性や整合性の議論が巻き起こると思います)
・日本人慰安婦はどうなるのか(これはそのまま闇に葬られそうな気がします)
・アメリカマグローヒル社の教科書問題がうやむやにされるのではないか(「日本は事実と認めて謝罪したではないか」となりそう)
・アメリカの学者達や日本の左派学者達が声明を発表される事が予想される
・アメリカの慰安婦碑や像がどうなるか
・韓国は本命の「徴用工補償問題」での攻撃を激化するのではないか

最後に感想ですが、

・追い詰められているのは韓国側であり、日本は強気に出るべきで焦る必要などなかったはずですが、なぜこんなに不利な交渉をしたのか、全体として理解できません。が、外務省局長級会談を12回も重ねていましたので、政府としては唐突な話ではなかったのでしょう。
・河野談話、村山談話、アジア女性基金とその後の長い騒動を経ての今回の合意ですから、この内容でほぼ結論が固まったしまったものと思います。例えば今後何を言っても「安倍首相と日本政府が認めたではないか」となります。
・首相の「私たちの子や孫、その先の世代の子供たちに謝罪し続ける宿命を背負わせるわけにはいかない」という見方については、逆に日本の「悪行」を永遠のものに固定化させ、謝罪行為自体は繰り返さなくても良くなったかも知れませんが、日本の汚名を確定させてしまったのではないかと憂慮します。
・世界遺産の時の「forced to workは強制労働を意味しない」と同様、今回も「賠償金ではない、法的責任を意味しない」という詭弁や弁明は国際社会では通用せず、「日本が悪い事をした、認めて韓国に謝罪をしたのは事実であったからだ」としてしか理解されません。残念です。
・朝日新聞が主張してきた線に沿っており、朝日新聞のこれまでの罪が免責される方向に行きそうであり、また、「朝日新聞の言っていた事が正しかった」となりかねない事態も残念至極です。

2015年12月26日土曜日

慰安婦問題、ついに日韓政府で合意か?

久しぶりの投稿になってしまいましたが、慰安婦問題で動きがあります。

安倍首相が岸田外務大臣を28日に韓国に派遣し、問題解決が図られるという動きがあります。また、この訪問は韓国側の最近の関係改善に見せかけた恩着せがましい動きに応えた動きであるという見方もあります。慰安婦問題の正しい形での解決は私も望むところです。しかし今回は色々と心配な点があります。

1 韓国側の最近の動き、関係改善のサインに応えた、という話がありますが、恩義を感じる話ではありません。一件は産経新聞加藤前支局長の名誉棄損の裁判で無罪が確定したという話でこれはそもそもあんな記事で起訴する時点でおかしく、無罪になったからと言っても当たり前の話です。しかも司法に政治が働きかけてという経緯は先進国とは思えない対応でした。

2 そしてももう一件が「日韓請求権協定(基本条約)において元徴用工の遺族が日本に対して賠償請求する権利があるかないか」について、韓国最高(憲法)裁が「要件を満たしていない」として請求を棄却しました。しかしこれも「完全かつ最終的」に終わっているものを復活させなかったからと感謝し喜ぶ話でもなく先進国としては条約を守るのは当たり前です。また、「請求権協定条項が合憲だと判断してはいない」と含みも残しており、完全に日本側がすっきりする判決でもありませんでした。

3 岸田氏の「知恵絞り、汗かく」という発言だけを見るに、かなり日本政府としても具体的な話をして相手の出方によっては本当に最終的な合意をしてしまう、というものを感じます。内容としては

・慰安婦問題を本当に最終解決として、二度と蒸し返しをさせない。
・ソウル日本大使館前(および海外の)慰安婦像を撤去させる。
・アジア女性基金の復活や強化といった元慰安婦支援事業の実施。

ところでしょう。支援事業復活ならば日本人元慰安婦はどうなるのか、という矛盾も出てきます。

4 しかし上記のようなものであれば挺対協や韓国世論が納得するはずもなく、いきなり年内に妥結、ということはあり得ないものと思います。

まずは日本側として「ボールは投げた」という事にして、あとは韓国側の出方を見れば良いと思います。世界遺産の悪い前例もあります。韓国はもう虫の息、別にあせることは無いのです。日本は余裕を持って事に当たるべきです。絶対に安易に妥協してはいけない、それこそ永遠に禍根を残す事となりますので、そうならないようしっかりやってもらいたいと思います。


2015年12月6日日曜日

朴裕河教授が反論会見「非人権的な起訴に強く抗議」、韓国の問題が鮮明になったか

その著書「帝国の慰安婦」が理由で起訴されてしまった朴裕河教授ですが、先日反論の会見を開きました。
http://www.sankei.com/premium/news/151202/prm1512020012-n1.html
 
事実に基づいて「慰安婦は強制(連行)された性奴隷(いたいけな少女)」という説を否定したが今回の起訴につながってしまいましたが、この措置は日本国内の慰安婦肯定派である朝日新聞、毎日新聞、東京新聞、河野洋平、村山富市なども一斉に批判しており、日本でこの対応を支持している勢力は見られません。また、韓国国内でも批判の声が出ています。

朴氏は
「慰安婦は性奴隷ではなく売春婦であったが、その苦痛は奴隷の苦痛とは異ならない」
「慰安婦は日本による植民地支配で日本帝国の一員として動員された、その視点は日本に謝罪と補償を求める理由がさらに明確になるためだ」
としてそれなりに日本を批判していますが、これでも許してもらえません。

分かっていた事ではありますが、以下の事が分かります。

・韓国では言論の自由も学問の自由も無い。
・韓国では都合の悪い事実は隠蔽され、法治よりも感情や嘘が優先される。
・韓国では慰安婦問題は絶対不可侵。「強制された性奴隷」説に疑問を持つ事すら許されない。
・韓国では挺対協の方が政府や大統領よりも力を持っている。

この会見を見ても、別におかしな事は言っておらず普通の学者としての常識的な研究の域を出ていません。今回の件はまさに韓国が民主主義国家ではない事を示していく転換点になる可能性があると思います。