2017年5月7日日曜日

朝日新聞が慰安婦集団訴訟でまた勝訴、しかし一定の事実は認定される


朝日新聞の慰安婦捏造・誤報に対する集団訴訟は3件起こされましたが、残念ながら全て敗訴となってしまいました。1件は朝日新聞の報道による名誉棄損について25000人によって起こされ、もう1件は読者の知る権利の侵害をテーマとして争われましたが、残念ながらどちらもあっさり却下されたような形となりました。これらは以前お伝えした通りです。

その中で、3件目の集団訴訟は、朝日新聞の流した誤報によって、風評被害が起こり、その影響で在米邦人などが現実問題としての嫌がらせや侮辱の被害に遭った、という論理構成となっています。この裁判は3件中最も健闘したと言え、先日判決が出ました。

朝日新聞は被告・加害者という当事者であり、勝訴という事で紙面でも嬉しそうに大きめに報じていましたが、これだけを読んでも全体像は良く見えてきません。今回の裁判にはいくつかポイントがあります。

http://www.asahi.com/articles/ASK4W51LVK4WUTIL03H.html

①朝日新聞の慰安婦「誤報」が「日本(軍)が朝鮮人女性を強制連行して、無理矢理慰安婦にした」「日本(軍)が朝鮮人女性を無理矢理性奴隷にした」などという誤解を世界に広めたかどうか。

②在米邦人が、慰安婦像や慰安婦記念碑を建てられ、地域でアメリカ人や韓国系・中国系に侮辱されたり、子供が学校でいじめを受けるなどの被害が発生しているか。

③②の被害がある場合、それが朝日新聞の報道が主たる理由として因果関係が成り立つか。
ポイントはこれら3点に集約されます。

まず画期的なのは、①について、「記事が、国際社会や国連関係機関、米国社会や韓国社会などにおける慰安婦問題の認識や見解に何ら事実上の影響も与えなかったということはできない」との表現で朝日新聞自身も記事に書いているように、裁判で事実として認定されました。日本国民の一般の肌感覚ではもちろん朝日新聞の責任はあるわけですが、朝日新聞自身の第三者委員会で、両論併記という苦しい方法で「朝日新聞の慰安婦誤報による国際的影響はあったという説と、無かったという説がある」として逃げていた、朝日にとって都合の一番悪い朝日の責任について、控えめな表現ながらも裁判所に認定された事は大きいと言えます。

次に②について、アメリカで慰安婦を理由にしたいじめがあるかどうかについてはこれまで陰謀論も含め議論となってきました。左翼や在日勢力など朝日擁護側は、「いじめなど無い、朝日や韓国を攻撃したい勢力が批判の理由にするためのでっち上げである」などとして、議論となってきました。被害者側は生活やさらなる嫌がらせがあるので、名乗れないという議論がありました。今回、この点についても、様々な被害があるという事が認定されました。

問題は③です。①と②については、事実としてある。しかし、②の被害が「朝日新聞のせいで」起こされたのか、つまり朝日新聞のみ、または朝日を主な理由として起こされたのか、または、アメリカでの慰安婦像の建立やいじめなどは朝日の影響はあったかも知れないが、韓国本国での運動や、様々な複合的な理由かも知れない、その因果関係の認定が難しいという事で、「朝日のせい」だけとは言い切れない、という事でした。

結果は残念でしたが、朝日の誤報の責任や影響、米国での被害を認定した画期的な裁判であり、原告団は控訴していくという事ですので、応援していきたいと思います。

もちろん、裁判の結果に関係無く、国民・市民は賢い消費者として、朝日新聞のような質の悪いメディアを買わない・利用しないということは徹底していく必要があります。

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